第192回 逃げ出したい

2024.8.30
いしだのおじさんの田園都市生活

責められて、逃げ出したくなる、そんな暑さだった8月が終わろうとしている。
ここ数日、30℃くらいの暑さなら、「涼しいね」なんて言うほど、、、

26日、秋ジャガを植え付けた。
150株ほどを、最近の相棒であるS子さんと。
台風の影響で地温が下がるだろうと予想し、そのタイミングを狙った。
28日、雨が降って、俺の予想ドンピシャじゃん、と、
10日ほど前にまいた人参も発芽してきたし、ちょいと気分が上がった。
30日、時に激しく雨が降り続き、あと数日は雨が続くという。
もしかして、種イモ、腐るかも、と、気分が落ちてしまった。
涼しくなってきたけど、また、逃げ出したい気分、かも、、、
(小さい話でゴメンよ)

逃げて、どこへ行くか、を、考えている。
勝浦には猛暑日が無い、と、話題になっている。
冬も暖かい、とも。
お隣は、アコガレのいすみ市。
学校給食の米が100%市内産有機。
10年ほど前に取り組みが始まる前は、市内に有機の水田はゼロ。
それを行政が主導して、有機米づくりを進めた。
けん引した市職員は、サーフィンがやりたくて、の、移住者。
コモンズの大江さんが高く評価していた鮫田さん。
大江さんの追悼イベントでお話を聞かせてもらった。
今では、米だけでなく、野菜の有機栽培も広がっているという。
横浜からもそう遠くない。
まずは、一度、行ってみたい。目標は年内だな。
鉄道好きのさくらんぼ会の教え子TKSくんといすみ鉄道の旅の話もある。

沖縄もいいなぁ。
南国だが、海に囲まれているので、猛暑日は那覇で年平均0.2日。
夏の日差しは強いが、木陰や朝夕は涼しく、「正しい夏」という感じだ。
今までに何度か訪れている。
飛行機を降りると、真っ先に牧志公設市場を目指す。
元気のいいお姉さんたちが、鉈のような包丁でソーキをぶった切っている。
その姿を見ると、元気が出て、オリオンが美味い!
俺にとってはパワースポット、だな。
30代、グリーンの所長だったころ、
「沖縄に支部を作ろう。エメラルドグリーンだ」、などと、ホラを吹いていたこともあった。
離島でダイビングやカヤックを楽しんだこともある。
沖縄に逃げたら、やりたいことはある。
辺野古やミサイル基地に反対する運動に参加したい。
役に立てる自信は無いが、意思表示はしたい、と、思っている。
(行かなくても、なんかすべきだよね)

8月は、戦争のことを考えるときでもある。
だが、テレビでガザの子どもの映像を見ながらも焼酎のグラスを手放さない俺。
ジェノサイドを止められない国際社会に失望しつつ、情けない自分を自覚しているか?

去年は、水木しげるの『総員玉砕せよ』
一昨年は、こうの史代の『夕凪の街 桜の国』
と、お茶を濁すような読書で「敗戦の日」を過ごした。
(山住正己先生のゼミに参加して「平和教育」を学んだのに、、、情けない)

今年は、いい本に出会えた。
向井承子『「記憶」のなかの戦後史』(フェミックス・2024)
挿絵を描かれた中畝常雄さんからいただいた。
なんと光栄なことか。

著者は、東京大空襲のとき6歳で、池袋に暮らしていた。
その夜、地平のかなたに広がるオレンジ、深紅に燃える帯を、「きれい!」と叫んだという。
「悪魔にしか描けない異様な美しさに魅入られたのか、、、」と。
吉祥寺に住んでいた我が父(当時14歳)もやはり空を見ていた。
「この世のものとは思えない美しさだった」、と、聞いたことがある。
燃えさかる焼夷弾の炎が上空の無数とも思えるB29に反射されていた、と。

そんな序章から読み始め、久しぶりに読書らしい読書をした。
ひらつか雷鳥、市川房江に出会い、女性運動にかかわり、
子どもの手を引き職場に通い、
やがて、
女性の視点で社会の諸問題を発掘しノンフィクションで問う。
スケールは違うが我が母を思い出したりもした。
母も、自分の子だけでなく地域の子どもたちのために、様々に動いた。
乳幼児健診、保育所、障害児療育、学童保育などを行政に要望したり、
県立高校増設や図書館づくりなどにも関わっていた。
女性の社会進出などというワードも無かったころの話だ。

まとまった夏休みが無かった俺、
畑に行くには暑すぎる休みの日中に、
(ごめんなさい)ハンモックでゴロゴロしながら、読書。
晴耕雨読でなく、晴耕暑読?
それでも、朝と夕方は、畑、が、俺の休み。

情けない自分を少しは立て直したいと思いつつ、
歳相応のオトロエに、抗えない、し、(特に目が悪くなったのがキツイ)
自分に甘くてもいいか、と、開き直ったり、、、

そうこうするうちに、「令和の米騒動」?

「米が食えないのは困る、困る」
「まずは、なんとしても、買っておこう」
と、行動してしまったことが、また、情けない。

「いや、やっぱり、米も自分と家族の分を作りたいな」

そうだ、な~に谷っ戸ん田のこと、
ちゃんと振り返って展望もしないと、、、
と、うつうつと思い、
うん、
次回からは、
「自分の食べる米は自分で作る」
に、ついて、
ちゃんと、なるべく、ちゃんと、書こうかなぁ、、、

(それでも、石田周一、です)