第83回 畑で採れた蕎麦で年を越し、田んぼで採れた新米で正月を祝う
2024.1.1映像の持つ力
奇跡の締めは、江戸時代の千歯こき
なんと嬉しいことでしょう。
2023年の大晦日は、畑で育てた自家蕎麦で年越しです。
それにしても、お米、蕎麦、豆は、食べるまでになんと時間がかかることか。
粒が小さいほど、ゴミを取り除く作業に手間がかかります。
畑で、大豆に、せっせと手箕を振り、ゴミを取り除いていたら、ご近所の方が唐箕を貸してくださる事になりました。
なんとありがたいことでしょう。お陰で蕎麦も楽に選別作業ができます。
新しく借りた畑は何年も耕作していない畑。
その畑に蒔いた蕎麦の種は十数年保管していた自家採種の種。
肥料は入れないうえに、耕さない。
それでも育つから、ありがたい。
15年目に入る、小さな森のある畑と同じように
新しく借りた畑も、太陽と風と天水、畑に棲まう生きものの生態系バランスがあります。
その生態系バランスに助けられ、蕎麦の種に秘められた不思議が動きだし、めでたく発芽、収穫が出来ました。
奇跡の締めは、新しく借りた田んぼのお米。
さて、脱穀、今年はどうする?。
足踏み脱穀機や千歯こき(扱き)が見つからなければ、こき(扱き)箸を使おうか。
そう話していたところ、ありがたいことに、脱穀の間際の12月中旬に、千歯こきを借りることができました。
こうして新しい田んぼで育てた5種類のお米の脱穀が完了です。
鳥よけの網を畳み、稲架かけの支柱を外し、新しい田んぼ仕舞いができました。
さて、どきどきの計量です、お米の収量はいかほど?
なんと!! 、作付割合の換算は、昨年よりも収穫量は多かったのです。
7月に陸稲から植え替えた稲、肥料なし、あれだけ雨が降らない上に、9月以降は天水のみ。
そんな厳しい条件だったのに。
52年ぶりに作付した苗代田の底力は大したものです。
2024年を迎え、15年目に入る自然農風のお米づくり。
どうなるでしょうか。
何よりも、お米が作れること、畑ができることに感謝です。
(中川美帆)