第6回 中学校社会科で「食」の話
2009.3.1いしだのおじさんの田園都市生活
先日、某私立女子中学で「授業」をする機会があった。
社会科のなかでの「環境学習」の一環ということだった。
女子中と聞いてよろこんででかけた。
男子校だったら断っていたかも・・・
タイトルは「農作業が人をも耕す」
このタイトルは、社会科の教員が決めたものだった。
社会科らしくないタイトルでオモシロイ。
事前の簡単な打ち合わせで、
「福祉」のことよりも「食」のことをメインテーマにすることになった。
グリーンやな~に谷っ戸ん田の活動を通じての「食」の話。
これも社会科らしくなくていいんじゃないか。
「作る食」と「買う食」の問題。
「市民が耕して自給することの意味」などを、
スライドを見せながら話した。
グリーンの田畑のようす、自給的ランチ、
な~に谷っ戸ん田のハンモックカフェのランチや
バームクーヘンにドラム缶ピザ・・・
「おいしそ~」と声があがった。
美味しいものが自慢できるのがウレシイ。
もちろん、田んぼや谷戸の自然が「きれい」という声もあった。
学校は某美術大の付属校であった。
私を呼んだ社会科の教員は大学の同期生。
「常に美を意識している」と顔に似合わぬことを言っておった。
私たちは自分たちでつくって食べている。
これは、楽しいし、おいしいし、豊かな世界である、
と、思っている。
「平和につながる」とも、思っている。
と、いうことをまず紹介した。
さて、中国製の冷凍餃子の事件があったが、
遠い中国でつくられる「食」には、
安全性の問題、CO2排出の問題、経済格差の問題などがある。
こういうことを「食べる」ということとともに考えてほしい。
(少し社会科らしくなる)
農薬を絶対悪とは思わないが、
効率よく大量に生産するということと
農薬を少なくするということは相反する。
貧しさから抜け出すには、効率的大量生産が必要になり、
日本人の安全もだが、中国の農民の健康も自然環境をも侵す。
工場で作られ、
そこから、トラック、船、トラックで運ばれる過程で、
多くのCO2が排出される。
そもそも、日本で作るより多くの人の労働があるのに、
日本製よりも安い、ということはなんなんだろう?
そして、この立場は逆転しないという保証はない。
などなど・・・
そういう状況で、自ら「作る食」はどういう意味を持つのだろう。
そうやって見ると、グリーンやな~に谷っ戸ん田は
どういう意味を持つのだろう。
と、話をそれなりにまとめた。
最後に・・・
「食」や環境のことは、調べ、勉強し、考えもしてほしいが、
やはり直接ふれて、五感を通して感じてみてほしい。
「かかわる」ということだ。
「いつでも歓迎します」と伝えた。
授業の後、私のところに来て「遊びに行ってもいいですか?」
と、言ってくれた女の子が数人いた。
楽しみだ。
グリーン ホームページ http://home.catv.ne.jp/dd/green/
な~に谷っ戸ん田 http://www.yattonda.com/
(石田周一)