第60回 釜飯仲間・おこげのお話
2013.11.1神奈川・緑の劇場
11月から年末に向かって、街も、田舎も、いろいろな企画・催しでいっぱいです。
興味深い企画も、いっぱい目に入ってきます。が、自分たちが主催する企画に迫られて、とても、とても、出かけていくことができません。
自ら選んだ道とはいえ、”充電”とか、”リフレッシュ”という意味でも、皆さんが頑張っているところへ、たまには、出かけてみたいと思います。
「はまどま」では、さっそく11月2日・3日は、民族文化映像研究所の映画を上映します。
作品は「越後奥三面(えちごおくみおもて))=山に生かされた日々」。民族文化映像研究の代表作品の一つ、といわれる大作です。
今、TPPをはじめとして、日本の社会のありようを一部の巨大資本に都合の良いように変えてしまおう、という激しい動きに、私たちは翻弄されています。いえ、翻弄されている自覚もないまま、情報を遮断され、漠然とした不安はあるものの、”景気が良くなるのなら”良いのではないか?と思っている人が多いようにも思われます。
景気は、良くなるはずがない。これから先、ずっと。
私はもちろん、経済学者ではないけれど、経済学者や政治家が間違ってなかったら、20年余りも”失われた”年月を送ることはないでしょう。
自ら考え、自らの農業を切り拓いてきた生産者の一人が、30年も前から、言っていました。「国の農業政策に従わないことが、まともな農業で生きていく道だ。」と。そして、「ひでえ話さ、ところがよ、みんな気がつかないんだ。自分の頭で考えない、周りの様子をみているばかりだからな。」
話を、民族文化映像研究所に戻します。
その多くの作品は、日本の高度経済成長時代から、バブル時代に記録されています。今よりも、時代背景は彼らにとって過酷です。
「なんのために?モノ好きな連中だ。」と、今以上に、相手にされない時代だったのです。
しかし、その作品群のなかに映し出される人々の姿は、自分の頭で考え、自分の技を磨き、経験を積み、次の世代につなげていこうとする、私たち日本列島で生きてきた祖先たちの営みで満ち溢れています。
そして、その営みが断ち切られようとする、奪われていく、悲しみ、怒り、憤り、ことばにならない人々の「覚悟」が、映像に記録されています。
11月3日(日)夜は、神奈川野菜の食事会です。
楽しく食卓を囲みながら、これからのこと、お話を交わす機会になれば、と思います。
そして、5日(火)は、野菜市と同時並行で「はまどま」を活用する、企画「豆とメイクであなたも変わる~小さなコツのお話~」
これからは、「はまどま」をもっともっと皆さんに活用していただけるよう、発想も転換・工夫も重ねたいと思います。引き続き御支援をお願いします。
さらに10日(日)は、県内生産者との交流を進める一環ともいえる「伊勢佐木町・地モノ市」こちらは、スタッフ大募集です。
いままで、関わってくれた、特に若者たちは元気にしているでしょうか?同窓会ではないけれど、顔を見せてくれるといいな、と思っています。
11月16日(土)・17日(日)は、「はまどまの集い・2013秋」
17日(日)には、「はまどま」で、NORA会員・有川美紀子さんによる「小笠原企画」を催します。
有川美紀子さんは、小笠原諸島の自然・人をライフワークとして島に関わり続けて20年以上になります。すでに60回以上、小笠原に渡りました。その間には、2009年から2010年にかけて1年3ケ月間、母島に居住して人と自然の関わりについて取材されてきました。
今回は、豊富な経験・取材の中から特にメカジキ漁に同行させてもらえた貴重な体験談を話していただきます。
山に生かされ、海に生かされ、土に、森に生かされてきたのが、日本列島に命をつないできた私たちではないでしょうか。
どんなに時代が変わっても、技術が進歩しても、自然に対して謙虚に向き合い、自然とともに暮らし方を創ることを忘れてはならない、と強く思います。
そして、一つ一つの、私たちの催しと情報発信は、そのことに繋がっています
おもろ童子2013/11/1記