第八話 西会津の水田に水を引く
2014.5.1水の流れは絶えずして
今回はゴールデンウィーク中ということもあり、小難しい話はお休みし、4月29日~30日に訪れた福島県西会津町杉山地区で、堰上げ作業へ参加させていただいた様子を報告します。
堰上げ作業は、田植え前の水田に水を引くための作業の一つです。今回は、杉山地区で縁側カフェキノコハウスを経営する佐藤さんの水田に、阿賀野川支流河川の源流に近いところから、水を取り入れるため、堰と用水路の整備を行いました。作業には、前日縁側カフェキノコハウスでライブを開催したChojiさんや、自然環境復元協会の若手の板橋さんや、近所の方も参加しました。
お世話になった縁側カフェの玄関
農家の一部を開放しています。
福島県の西会津は、飯豊連峰からの雪解け水や雨水が水源となり、地水資源に恵まれた地域です。
杉山地区は世帯数22の典型的な中山間地の集落で、水田はすべて棚田です。佐藤さん水田は、棚田の最も高いところにあるため、上流から尾根沿いに約2kmの水路で用水を引いています。
佐藤さんの田んぼ
集落の一番高いところにあり、川から約2kmの水路で水を引いています
近年多くの水路がコンクリートやU字溝となっていますが、今回作業をお手伝いした水路は、斜面崩壊などによって一部パイプで水を渡していますが、基本的には、水源から水田まで細い素掘りの水路を維持しています。
水の取り入れ口と川から水を引き込む素掘りの水路
雪で崩れた水路や人の歩く道はすでに補修されおり、作業は、水路の側面や底にたまった泥を出すという単純作業でした。しかし、500mぐらい作業最多だけで腰が立たず、中山間地の棚田に毎年水を引くことの大変さを実感しました。
水路にたまった泥を出すChojiさん
水路整備が終わった後には堰を開放し通水を行いました。谷底より高いところに上流から延々と水を引くために伝わる山間部での水の利用技術を体験すると、感慨深い物がありました。
整備した水路を流れる水 水の取り入れ口の前でみんなで記念写真を撮りました。
作業の後は、バーベキューと棚田でとれた美味しいお米をいただきました。
佐藤さん、貴重な経験と美味しい食事をいただきまして、ありがとうございました。