第7回 釜飯仲間・おこげのお話
2009.5.29神奈川・緑の劇場
ぐるぐるぐるぐる。
4月。スケッチブック片手に、7名で「はまどま」から外に出ました。三浦半島の丘をぐるっとめぐり、農作業中の会員生産者F氏を畑に訪れ、港を描き、やがてまた、ぐるっと浜辺に出ました。旧知の漁師、佐島の「山茂丸」を訪れました。
ぐるぐるぐるぐる。
真っ白いベルトコンベアーが回っています。数十分前には、沖で泳いでいたシラスが、ふっくらと茹で上がり湯気を立てて運ばれて、待ち構える奥さんとお嬢さんが、木枠に網を張った上にシラスを手早く広げます。漁師の岩崎さん一家の作業場です。息子さんと船に乗り、網を上げたら全速力で港に戻り、最新式の機械で一気に茹で上げていきます。シラスの大群を乗せた黒潮の流れが本州に接近すると、房総半島にあたってぐるっと向きを変え、三浦半島を越え、相模湾に入ってきて、ぐるぐるっと巡ります。
「海を大切にしたい、と思っても一人ではどうにもならない。」だから、山や畑を大切にしようと頑張っているNORAを応援したいと。
「海かい?汚れる一方だよ!」
ぐるぐるぐるぐる。
5月。「はまどま」の前で、竹の風ぐるまが回る日。風ぐるまづくりの日です。人通りの少ない裏通り。郵便局に行く用事かな?蒔田公園へ散歩?南太田駅か蒔田駅からの行き帰り?たまに通りかかる人が、風ぐるまに目をとめて、「はまどま」に興味を持ってくれます。はまどまを覗けば、竹ひごづくりの途中の竹材がいくつもの籠にいっぱい!竹ひごを編み、まだ千代紙を貼っていない、風ぐるまの羽の中心部分になる玉を50個づつ紐に通して、幾本も天井から吊り下げます。
壁面を埋めるのは「野を描く」などで描いた絵などが少しずつ増えて30点。さらにポスターや”便り”、寄せ書きの”色紙”などなどが「はまどま」と一緒に呼吸して、熟成していきます。そう、ぐるぐるぐるっと季節はめぐり、6月1日「はまどま」は、開設1周年となりました。
6月4日、竹林提供のO氏を「はまどま」に招きます。手が回らず、荒れ放題だった竹林から、竹の風ぐるまを作り出し、広げていこうとする様子を見てもらいたいのです。O氏は、米と野菜と酪農の複合経営農家で、牛の糞は有機質肥料に、尿は浄化して牛舎の回りにぐるっと水路を作り、まもなく源氏ホタルが舞うはずです。
大雨が降ったとき「はまどま」の近くの大岡川を覗き込むと、雨で洗われた塵芥が上流からゆったりと流れていくのは、引き潮どきだから。ペットボトルが幾つも浮かんでは、淵に渦を巻いて、ぐるぐるぐるぐる。そして、ぐるぐる。ぐるぐるぐるぐる。
(おもろ童子)
「山茂丸」 http://www.navida.ne.jp/snavi/33128_1.html
「はまどま」 https://nora-yokohama.org/mura/hamadoma/