水の流れは絶えずして

第十五話 とんぼ池づくりに思う水・環境

2014.12.1
水の流れは絶えずして

今年はNORAで、横浜市環境創造局が行っている環境教育出前講座「生物多様性でYES!」プログラムの内「ビオトープで小さな生態系を感じてみよう〜学校で小さな生態系を感じてみよう〜」に登録しています。11月に入り立て続けに4校で授業の依頼があり、学校を訪問してきました。コラムのテーマと学校ビオトープは一見関係性が薄いと思われますが、最近の活動で、ビオトープのような水辺が里山環境の役割をしていることが、京浜臨海部で活動している「トンボはドコまで飛ぶかフォーラム」の調査からわかってきました。
(URL http://tomboforum.sakura.ne.jp/_src/sc1920/201295f18d908f91.pdf)
トンボ池づくりは、生きもの楽園であった横浜の里山環境が開発によって危機的状況になってきた1980年代、森清和さんが提唱されたエコアップ活動として、都市部に水辺環境を取り戻し、子どもたちに生きものとふれある機会を増やすことを目指して開始されました。
当時、一般的な小学校区の間隔が1kmといわれ、また、当時トンボの生活圏が1kmと考えられていたことから、市内のすべての小学校に作ることができればエコロジカルネットワーク再生につながるというのが森さんの構想で、実際に100校近くの小学校にとんぼ池が作られました。

さて、出前講座ですが、「総合」の時間を活用した既存の学校ビオトープを授業がほとんどですが、対象の学年や授業の進捗状況によって、内容は多様です。
たとえば、かつて作られ現在放棄されてしまったビオトープ池を復活させたい、とか、池が水漏れをしてしまっているので、修復をして再びいきものを呼び寄せたいなどです。
学校ビオトープは、熱心な先生がいなくなるとすぐに荒廃してしまう、という批判もよく聞きますが、一方で、関心ある先生が赴任してくると復活も可能であることがわかり、うれしくも思いました。

水の流れは絶えずして