第133回 釜飯仲間・おこげのお話
2020.1.30神奈川・緑の劇場
「釜飯仲間」=おこげのお話=国連「家族農業の10年 2019年~2028年」
2019年~2020年の冬・神奈川では雨が多い。畑に入れず農作業が遅れてしまう。そして気温が高い。晴天の日、畑に降りそそぐ陽射しが恨めしい。野菜市に来て下さる皆さんから聞いた話では、テレビなどで「豊作貧乏」という言葉が使われたらしい。作物が出来過ぎている、というのだ。作物が出来過ぎているのは事実だが、豊作などであろうはずがない。
花が実を結ぶ“果菜類”ではないのだ。大根やキャベツ、ブロッコリ―の話だ。一回収穫したらおしまいだ。一本の大根が二本・三本に増えるなら豊作だろうけれど。大きすぎる大根は廃棄するという。もったいない。が、生産者価格を維持するためにはしかたがない。
生産者価格については気になることがある。野菜が出来過ぎて生産者の手取りが安いというが、スーパーなどの店頭価格はそれほど安いとも思えない。ちょっと気の利いた野菜ならば、例えば「有機栽培」とか生産者の名前が表示されているとか、そんな野菜はけっこう高い。JAの大型直売所を覗いてみても安売りはしていない。直売所では、生産者自身が値を付けることが原則だ。いわゆる市場価格と、実際に流通している価格の違いが大きくなっているように思う。その結果、全体としては、生産者が手にできる価格がますます下がっていくのではないだろうか?利用するひとたちは、割高な農産物を目にして、ますます野菜離れを起こすのではないか?悪循環である。
家族の人数が減った。仕事に出て料理をするのがたいへん。ゴミを出したくない。などなど、家庭で野菜を調理しなくなっているらしい。大きな野菜、重たい野菜も不人気だ。
生産者にとっては、輸入農産物にさらされて、頼みの国内利用も先行きが怪しくなって、輸出などはごく一部の品目、一部の生産者の話。
簡単に料理できて、おいしくて、健康にも良い、身近な生産者が育んだ野菜を食べる「神奈川野菜の食事会」は、最近は、定例第一土曜日に「神奈川野菜の食事会」を催している。14年通算140回以上になる。2月は1日(土)。3月は7日(土)。「はまどま」で午後6時から8時まで。参加費は1000円(小学生以下は、保護者同伴をお願いして無料)
料理を作るところからの参加も歓迎だ。
(2020年1月30日記 三好 豊)