和歌山県高野町富貴暮らし

今日のできごと

2010.8.1
和歌山県高野町富貴暮らし

こちらに来て、もうすぐ4カ月。
一人の人間の人生について考えることが多くなりました。
隣にIさんという80代半ばの男性が一人で住まわれています。
何かと声をかけてくださって、話をする中で、
アルバムを見せていただくことになりました。
ご自分が赤ちゃんのとき、お母さんが女学生のとき、
小学生のときご家族と、中学校の卒業式、
青年団でお芝居をしたとき、最初に勤めた会社の社長と、
戦争で招集されたとき、お子さんが小さいとき、
社員旅行、同級生との旅行、お孫さんが生まれたとき、
お孫さんの結婚式…たくさんの写真を見せていただきました。

それからIさんに会うと、アルバムの中の、子どものときのIさん、
壮年期のIさんのお顔が重なるようになりました。
今のIさんが、80数年の年月を重ねてこられて、
今ここにいる私と出会っている。
今までにはなかった感覚です。
こちらに来て、80代、90代の方と話すことが多くなり、
また現役で畑仕事をされている80代の方が多いのですが、
人間の老いは、身体のみで、精神は変わらないとも強く感じます。
体が元気なうちは、いくらでもやらなければならないことがある、
やれることがある、仕事があるところです。
私もそんな80代になれるだろうか。
先のことは全くわかりませんが、
私が80歳になったとき、みんなが元気に暮らしている、
存続している富貴であるように、
今の仕事をしていきたいなと思います。

(山田)