第130回 釜飯仲間・おこげのお話

2019.10.30
神奈川・緑の劇場

「釜飯仲間」=おこげのお話=

国連「家族農業の10年 2019年~2028年」

台風15号に続き19号、さらにその後の記録的な大雨によって亡くなられた方、被災された方が広域におられる大災害の秋になりました。神奈川でも箱根を中心にした記録的な降雨、相模原での土砂崩落では多くの方が亡くなられ行方不明になりました。亡くなられた皆様に心よりお悔やみを申し上げます。被災された皆様の一日も早い生活再建、復興を願います。

NORA野菜市を支えて下さっている生産者の皆さんも様々な被害がありました。改築したばかりのハウスにも被害が。19号の際には近くの川の氾濫が迫り一家で避難したところもありました。氾濫は免れ建物等への被害もありませんでしたが、冬野菜の生育は厳しい状況です。15号台風の強風被害が大きくこれから収穫期を迎える作物への影響が深刻です。

全国の農業被害額は日を追うごとに大幅に増加しています。あまりの大きな被害に再建を危ぶむ声も聞こえてきます。そうでなくても、農業従事者の平均年齢は65歳を超え離農も相次ぎ生産基盤の弱体化、特に地方の共同体の崩壊が喫緊の課題となっているのです。

一方では、TPPや日欧貿易協定、日米貿易協定と、たて続けに日本の農業にとって致命的な貿易自由化を政府は続けています。

日本の農業が瀕死の状態に近づいているというのに、国民に危機感が薄い、全く感じられない、相変わらず「生産者はたいへんね」で済ませている(ように私は感じる)。いつになったら、大変なのは自分たちだと気づくのでしょう。

今は、輸入農産物が入ってきて国内生産の減少をカバーして、市中には相変わらず食べ物が溢れるでしょう。食べ物が市中から消えてからでは手遅れではないでしょうか?少なくとも、自分ではどうすることもできない子どもたちへの責任は果たせません。(ハロウィンで子どもたちにお菓子を配っている場合ではありません。もっとも、ハロウィンは、本来はアイルランド発祥の収穫祭・感謝祭と聞いています。大切な行事です。)

長年の希望だった「食べ物通信・読者会」を始めます。11月11日(月)午後7時~9時「はまどま」です。簡単な夕食を用意します。ぜひ、ご参加下さい。(参加費500円)
※詳細、お申込みはこちらから→★★★

「食べ物通信」編集・家庭栄養研究会 5つの提言

安全性   子どもたちの健康と未来のため、「食」の安全に配慮しましょう。

健康・栄養 自然のリズムに沿った健康的な「食」をめざしましょう。

食文化   日本の風土に根ざしたお米を中心とする食文化を大切にしましょう。

食教育   食と「いのち」のつながりを学べる、食教育を実践しましょう。

食料自給  平和・環境を大切にし、生産者と消費者が手を結び食料自給を高めましょう。

(2019年10月30日 記 三好 豊)