第131回 釜飯仲間・おこげのお話
2019.11.30神奈川・緑の劇場
国連「家族農業の10年 2019年~2028年」
2019年。日本の農業崩壊がいよいよ明らかになった年として記憶され記録されるに違いないと思います。
昨年の今ごろ、なぜか、生産基盤の弱体化、とは、まだ言っていませんでした。それが、年が明けてから言われはじめたと思ったら、今では聞かない日、見ない日は無いほどです。それでも、危機感が全く感じられないのは、輸入食糧でカバーされているからです。その多くが安全性に問題があることはほとんど知らされていません。
怖れていた天候の激変、年を追うごとに激甚化していく天候被害は、多くの離農を招くことになりそうです。遂に食料自給率は史上最低を更新しました。さらに低下するだろうと“有識者”は、皆が言っています。大型の自由貿易協定が次々と発効し、する見込みです。
農畜産物とその加工品の輸入は急増し、国内産の生産者価格を下落させます。 農産物への鳥獣被害は深刻化する一方です。消費税の10%への増税は生産資材の負担を重くするにもかかわらず、軽減税率で農産物の販売価格には転嫁できません。もっとも、最初から転嫁など無理、仮に転嫁しても本体価格を値下げしなければ販売できないでしょう。
来年以降も、さらに厳しい状況を覚悟しなければなりません。厳しさに立ち向かっていくために、勇気と元気を与えてくれた、何人もの若い力との出会いが続きました。未来に向かって目を輝かせているのです。あるいは、若い悩みの中にあっても現実をしっかりとらえようとしている姿が頼もしく感じます。
人と人との繋がりを育て、学び合う若いお母さんたち。その子どもたちの確かな成長!
「野菜市」や「紙芝居・民話」を通して接する機会を得て、ともに歩むこともできました。
「はまどま」の改装に着手し、「食べもの通信・読者会」という新しい扉を仲間たちと開くこともできました。
これからも、歩き続けましょう。若者たち、子どもたちの未来のために。
(2019年11月30日記 三好 豊)