神奈川・緑の劇場 vol.53

2025.11.30
神奈川・緑の劇場

=神奈川県農民連(農民運動全国連合会)に新規会員10名の若者たち=(1)

農民連が全国組織になって間もなく40年。神奈川では農民組合神奈川県連合会として、以前からの歴史を重ねてきました。1970年代には神奈川土づくり研究会を立ち上げ、今の有機農業、自然農法に繋がる勉強会と実践交流を重ねてきました。生産者ひとりでは年に1回しか経験出来ない実践を仲間たちと交流し共有した効果は大変に大きなものでした。

全国には生産者の要求に基づく農民運動組織はJA以外でも活躍していましたが、神奈川県の農業は全国的に見ると大変に〝特殊〟で、神奈川の生産者の悩みを理解する空気は全国には無く、神奈川では全国に頼れない神奈川独自の活動が必要になりました。その一つが〝産直運動〟です。今では全国で当たり前の取り組みですが、当時は消費者と生産者が直接取引をするなど許されない時代でした。千葉県はじめいくつか先駆的な生産者たちはいましたが、神奈川でも全国に先駆けて産直センター、神奈川農畜産物供給センターを立ち上げたのは、農民運動神奈川県連合会が中心になったのです。大規模開発による農地減少、流通の発達による全国からの農産物の廉価な流入、全国に比べれば小規模な神奈川農業を続けるために身近な消費者との提携を求めたのです。

県の農業政策への提言、大規模開発計画への農地確保の要求、神奈川の農畜産物への理解を広げる〝神奈川産直祭り〟の毎年の開催など貴重で重要な取り組みを重ねてきました。全国農民連結成後も全国の活動に神奈川の生産者たちも奮闘しました。消費者との交流企画には神奈川農畜産物供給センターが積極的に参加しました。

農民連は全国の仲間たちと数々の活動、成果を上げています。しかし、神奈川では生産者たちの高齢化に事務局員の相次ぐ逝去があり、女性部〝いちょうの会〟の活動、畜産部門の活動の他はあまり目立たなくっていました。

しかし2024年2月の県連大会で事務局体制を確立し、改めて大都市農業神奈川の生産者たちの要求に耳を傾け農民連組織の拡大に踏み出しました。神奈川で増える新規就農者を始め、会員10名を迎えるなどしています。

神奈川では特に、都市住民、消費者が農業を自分ごととして感じ、考えて一緒に歩むことが大切です。激しい気候変動のなか、農産物を作付けする、牛、豚、鶏など生き物を育てる、並大抵の仕事ではありません。

農民連の機関紙〝農民〟(週間)の購読で闘う農民との連帯、応援をお願いします。

発行 農民運動全国連合会(農民連)
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
電話03-5966-2224
FAX03-5966-2226

(三好豊 20251130)

・京都で振り売り(伝統的な農産物の移動販売)をする角谷香織さん→★★
・日本の農産物流通に3つの提案 神奈川野菜を届けて36年 三好 豊→■■三好 豊(みよしゆたか)

“50年未来づくりプロジェクト”を提唱します。
“もりびと”が木を植えて育てるように、子どもたちが社会の真ん中で活躍する時代のために、今日できることを一つずつ。老いも若きも一緒になって50年のちの日本の景色を想い描きたい。
1954年に生まれ父親の転勤により各地で育ちました。 1975年10月、杉並区阿佐ヶ谷南の劇団展望に入団。1982年退団して横浜に戻り演劇活動に参加してきました。1987年5月、(有)神奈川農畜産物供給センターに入職し、県内各地、各部門の生産者に指導を受けることができました。2004年に退職し「神奈川・緑の劇場」と称して県内生産者限定の野菜の移動販売を始めました(現在終了)。NPO法人よこはま里山研究所・NORAの支援はたいへんに大きく、これからも都市の暮らしに里山を活かす活動の一環として生産者との関わりを大切にしたいと考えています。また(株)ファボリとその仲間たちとの繋がりには、心躍るものが生まれています。