釜飯仲間

第9回 釜飯仲間・おこげのお話

2009.7.27
神奈川・緑の劇場

「はまどま」の夜。

蒔田公園の南まつりは、夏らしい晴天に恵まれ、多くの市民であふれていました。夕方からは、やや強いくらいの風が吹き、はまどまの前のプランターに挿した風ぐるまも勢いよく回っていました。
それは、たっぷり湿気を含み、体にまとわりつくような風だったのですが、昼間の厳しい暑さに耐えた体には心地よく感じられたに違いないのでした。そして、普段は人通りのまばらな「はまどま通り」にも、この日ばかりは、家族、友人が連れだって何組も行きかい、「町の賑わい」を感じることが出来たのです。

そして、久しぶりに、「はまどま」に棲みついた”里山の精”…かもしれない、まだ得体の知れない二人組のはなし声が・・・。

◇…ちかごろ、いろいろ訪ねてくるよな。はまどまに。

◆…両手を、行儀よくそろえた猫が二匹。入り口にならんで小首をかしげて、「みなさん、何やっ てるの?」って、な。

◇…大ダルいっぱいのイワシやらサンマやら、さばいていた日だべ。いつもは地場野菜でいっぱいになるか、はたまた、竹でいっぱいの「はまどま」なのに、高価な魚とは、連中にはめずらしい。猫が不思議そうな顔するのも無理もねえ。

◆…猫そっくりの、行儀のいい柴犬も小首をかしげていた。

◇…ありゃ、柴犬だけ来たわけでない。柴犬を連れて散歩に通った人が、「なんじゃらほい、ここは?」と覗き込んで、ご主人様ともども、「なんじゃらほい?」と。その二匹、いや、二人、いやいや、一人と一匹の姿が、二匹の猫の姿とダブって愉快だった。

◆…二人連れ、ってば、なんと言ってもエフエム横浜の人気番組「トレセン」の、〝代打じゅんご〟こと、お笑い芸人、佐々木順吾と番組ディレクターの二人組だろ。あの二人も猫そっくりに、「なんじゃ?ここは?」って、顔から先に姿を見せてたよな。

◇…しかも最初っからテンションmaxだったよな~!特に、約1匹が…「トレセン」が作った気合注入の合言葉…「覇魂!(バッコン!)」ってみんなで叫んだ時、はまどまが揺れたよな~!DJの光邦さんとじゅんご、ヒルサイドに来てくれるって…言ってたっけ☆

【トレセンの番組サイト】
http://www.fmyokohama.co.jp/onair/program/tresen/index.html

【はまどまに、じゅんご来襲!の様子】
http://www2.fmyokohama.co.jp/tre-sen_08/2009/07/090709_jungo.html#comments

◇…いやいや、愉快な二人連れであった。時に、「はまどま」運営委員が緊張して向かえた二人連れもいたな。

◆…あんときは、訪ねてくれた二人はリラックス。「はまどま」運営委員が、いままで見たことねぇ、妙なドキドキ感で、「はまどま」を片付けたり、掃除したり、時々、だれともなく深呼吸してみたり、笑おうと無理しているような…。

◇…「はまどま」へ、財団法人 まちづくり市民財団から、助成があるか 否か、最終審査のための二人連れであった。

◆…あんときは、運営委員が猫家族に見えた。一番、チビの猫が、案外冷静で、愉快でもあった。お人よしのとうちゃんに、しっかりものの、母ちゃん役もはまっていた。姉ちゃん二人も、個性が違って、それがいい。

◇…「はまどま」は、個性はバラバラ、でも思いは一つってか?

◆…で、「はまどま」に助成されることが決まった!

◇…やったぁ!決まったぁ!

◆…NORAの理事長から運営委員に、「市民のために助成金を役立てる」ことが求められるってメッセージは、嬉しいねえ。

◇…猫も喜ぶべ、犬も喜ぶべ、みんな喜ぶべ!

◆…ならば、どうする?俺たちも、ちったぁ、らしくすっか?

◇…らしくって…何を?まず、飯食って、よっく寝るべ!

◆…おっ!だな!飯だな、飯だな!飯だけは腹いっぺえ食うべ!

◇…みんながウメー飯食って、笑って、元気にってか!やっぱ【釜飯仲間】が合言葉だなや!

◆…「はまどま」の元気が街に広がって…。

“里山の精”の2人?…2匹?の会話はますます盛り上がっていますが、ふっと気がつくと、はまどまの外はすっかり明るくなり、夏の青空に白い雲が、綿菓子のようにふんわりと浮かびながら、港のほうに向かって流れて行きました。今日も、良い日!

(おもろ童子)