第四十二話 今年のとんぼは
2017.11.1水の流れは絶えずして
今月も少しトンボの話をしたいと思います。
NORAも参加しているトンボフォーラムでは、6月から10月までの間、京浜臨海部や横浜南部の6ヶ所で子どもたちを対象とした『トンボとり大作戦』を開催しています。また8月は、16地点で3日間のトンボのマーキング調査を実施しています。
それにしても、今年は天候不順、夏から秋に雨が多かったのですが、トンボにとってどうだったのでしょうか。
天気がいいときは、子どもたちもトンボも元気
とんぼが飛ばないと、子どもたちも元気ないですね
6月から毎週のようにトンボ調査をしていると、農家ほどではありませんが天候の様子がよくわかります。それにしても今年の天候は不順でしたね。
6月から7月の梅雨時は空梅雨、毎年天気予報とにらめっこしながら開催を迷うのですが、今年は好天が続きトンボも今年は多く捕れました。「梅雨明け十日」といわれ梅雨明け後の晴天を期待し行っている8月のマーキング調査は、今年のように明けが早かった年は天気が悪く捕獲に苦労することが多いのですが、今年は予感があたり8月に入ると毎日のように雨、東京では21日の降雨日が続きました。にもかかわらず横浜の沿岸部は、午前中に天気がもって調査延期は3日だけ。晴れなかったわりには気温が高かったことが幸いしてか、全体で16種(京浜臨海部で10種)のトンボが捕獲され,ヤブヤンマ、マルタンヤンマなど大型のトンボの捕獲も記録されました。少しの天気の合間を縫って、したたかに水辺に産卵に来るいきものの強さを改めて感じることができた年でした。
トンボフォーラムの調査結果はこちら↓
9月に入ると、秋のトンボシーズン。比較的天気が良く順調だったのですが、気温が高かったせいかアキアカネがなかなか山から下りてこず、例年より1週間ほど遅い3週目に初めてアキアカネを見ることができました。いよいよ赤とんぼの季節と思いきや、また雨、10月の週末は雨ことごとく雨、平日晴れた日も気温が上がらず、例年なら手すりなどにたくさん並んで止まり、稲刈りの後にこぞって産卵に来る赤とんぼ(アキアカネ)をほとんど見ることができませんでした。きっと、ちょっとした天気の合間を縫って密かに産卵に来ているのでしょうか。それにしてもアキアカネはいずこにいるのでしょうか
来年の春、田んぼに水が入った頃、アキアカネは卵から孵化します。来年の孵化をまって、再開を期待したいと思います。