07月29日 (土)|森ボラ体験会(継続編第1回) in 寺家ふるさと村周辺_レポート
森づくり活動では、10 年から20 年先の森の姿を見据え、季節に対応した保全活動を計画的に行う必要があります。
森ボラ体験会『継続編』では、体験会に参加経験のある方を対象に、年間を通して一つの森に関わることで森づくりの知識や技術のスキルアップを目指します。
今回は、4回シリーズの第1回です。
座学で森の保全管理の計画・手法等を学び、寺家ふるさとの森の観察を行いました。
~活動概要~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日 時:令和5年7月29日(土)9:00~12:00
場 所:寺家ふるさと村四季の家、寺家ふるさとの森(横浜市青葉区)
講 師:北川さん(多摩丘陵舎)、村松さん(横浜市緑地保全推進課)
参 加 者:ボランティア11名、横浜市みどりアップ推進課2名、スタッフ4名(NORA)
内 容:座学(森の保全管理の計画、寺家ふるさとの森の概要、森で見られる植生、現状の課題等)、寺家ふるさとの森の観察
夏の陽射しの中、寺家ふるさと村では青々とした谷戸田の景色が広がっています。
継続編第1回は寺家ふるさと村四季の家での座学からスタートです。
オリエンテーションとして保全管理計画・森づくりガイドライン等の説明、
森の手入れ作業を行う目的とその目的を達成するための計画づくりの必要性を学びました。
続いて北川さんによる講義「寺家ふるさとの森のこれからを考える」
寺家ふるさと村の成り立ち、寺家の歴史。落葉広葉樹林(雑木林)の循環利用、変遷、もたらす機能、現状の課題、寺家ふるさとの森で見られる植生等を学びました。
講義の後はふるさとの森での観察会。
ふるさとの森の外周で土手の様子を観察。
熊野神社沿いのよく管理された土手ではヒヨドリバナ(写真の白い花)等の草原性の植物が見られます。
土手沿いを進むとこちらは手入れされていないエリア。アズマネザサとツル植物が繁茂し草原性の植物はほとんど見られません。
林の縁のツル植物で覆われたこのような群落はマント群落と呼ばれ、強い風や日照が林内に入るのを防いでいます。
ツル植物とアズマネザサに押されつつもアオイスミレが見られます。
ふるさとの森へ入ると薄暗いスギ林が続きます。
園路を挟んで右側(写真)は湿った環境で背の低い植物が多く、
左側(写真)は乾燥し低木とアズマネザサに覆われています。このままでは他の植物が育たないため、次回継続編第2回は左側のエリアでアズマネザサ等の草刈り作業を行います。
少し進むと、横浜の絶滅危惧種ヤマルリソウ(放射状に葉を広げている植物。春に花を咲かせる)が見られますが…
本来この森には自生しない園芸種のコンテリクラマゴケ(青味がかったシダ植物)が拡がり、ヤマルリソウは押されてしまっています。
尾根道では表土が流出してしまいコナラの根が浮き出ています
ナラ枯れのコナラ等を伐採し明るくなったエリア。
継続編第2回はこのエリアでも作業を行います。
枯れてしまったコナラの代わりに若いコナラを育てるため、実生(ドングリから発芽した苗。写真中央)を残し、
また、明るい林内に自生する野草を増やすためオカトラノオ(写真中央。花は咲き終わっています。花期:7月~8月)やヤマハギ等の植物を残し、他の植物を圧倒してしまうアズマネザサ等を選択的刈り取り作業を行います。
ふるさとの森を出て谷戸田沿いを進み、畑を挟んで継続編第3・4回の作業エリア(鴨志田公園)を観察。一部エリアを伐採することで雑木林を若返らせています
四季の家に戻り、村松さんによる講義。
放置された雑木林の問題点、伐採手順、経過、効果、切った材による土留兼生物の生息空間創出等を学びました。
質疑応答の後、次回以降の予定を確認し第1回は終了です。
森づくりボランティア体験会継続編へのご参加ありがとうございました。
次回は10月22日(日)です。