第127回 釜飯仲間・おこげのお話

2019.7.30
神奈川・緑の劇場

国連「家族農業の10年=2019年~2028年」

「地産地消」に関わって、より積極的に「地産地消」を多くの人々に実践してもらいたいと願って33年目に入りました。今は農産物のみを「野菜市」を通して、皆さんに紹介していますが、水産物と調味料を除く、ほぼすべての食材を県内産で賄う生活もしていました。

思えば特殊な食生活です。が、それが当たり前になり10年、20年と続けていると、自分が特殊であることを忘れてしまいます。

なぜ、神奈川県内の生産者限定にこだわるのか?そこにどんな意味があるのか?国内産ではダメなのか?安全ならば良いではないか?美味しければ良いではないか?そして、安ければ良いではないか?

食糧生産で最も大切なことはなんでしょう?安全性でしょうか? 私は、人々が飢えないことだと考えています。そして安全性は、だれもが手にできる当たり前でなければならない、と思います。安全な食べ物が、お金に余裕のある人でなければ利用できないとしたならば、

それは間違っているし、変えていかなければなりません。

これから急速に日本の人口は減っていきます。その前に高齢化が進み食糧の必要が減っていきます。その日本人に提供される、日本の国内で生産され流通する農産物が、より安全で美味しいものに進化させるために、これからの時代は絶好の機会となるのです。

さらに価格においても、誰もが購入できる価格でなければなりません。そのために、農家への補助が大切なのです。農家への補助は、安心、安全で美味しい農産物を、都市住民が購入できる価格で、いつまでも生産してもらうためのものなのです。

「農産物」という商品が欲しいのであれば、日本国内どころか、世界中から取り寄せることが可能です。「地産地消」とは、物のやりとりではありません。日々の健康を、命を守る食べ物を通して、共に身近な環境を守り後世につなげる持続可能な営みです。私は、家族農業が担ってくれている様々な営みを想い、身近な地域で共に支え合う関係を皆様と作っていきたいのです。

全国の農業経営体の数が120万を下回りました。10年で49万の減少です。農業経営体の9割以上は家族農業です。

“消費者”=費やして無くする者ではなく“活用者”または“利用者”としての都市住民が大切なのです。活用、利用することは、持続可能な生産の一環を担うことになるのです。

(2019年7月29日   記 三好 豊)