正月の風景。正月を三度迎える島。トカラ列島・平島

2018.2.1
映像の持つ力

3回も正月を迎える。トカラ列島 平島

7shimaS2つ目の正月が終わった1月28日。トカラ列島の平島にやってきました。
トカラ列島では、なんと三度も正月行事を行います。
(新暦、七島正月、旧暦)

地域に根付くわたしたちの先輩がたの暮らしは、身近にかみさまがいましたね。
年神様を迎えるお正月。自然の恵みを司どる世界へ向けて。節目ごとに、豊作や豊漁をもたらす神様へ感謝と祝い。村内安寧。無調息災。ご先祖供養。

トカラ列島の中でも平島は、今でも古くからの行事がのこる島。
平島へのアクセスは鹿児島と奄美大島から出航する週2便のフェリー。
シマでは、ちょうど七島正月を終えていました。

7iieshime2つ目の正月・七島正月のしめ縄(家の入り口)

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車に張られた、七島正月のしめ縄。

7shimaS床の間のしめ縄。

しめ縄には、子孫繁栄の象徴、水芋(田芋)が飾られます。根っこが出ている小さい田芋が良いのだとか。

 

3つの正月の合間にも神行事がある!

七島正月を終えると、すぐ次の行事が控えています。
1月30日カセダウチ。「ふっ(福)とく(徳)じん(人)」という神さまが、五穀豊穣・無病息災を願い各家庭を回ります。

フットクジンはビロウの葉を身にまとい、手には糸の先に魚がついたつり竿のようなものを持っています。

写真

1月30日カセダウチの朝。
七島正月のしめ縄は外し燃やされます。

フットクジンの日は、いつもみぞれが降る寒い日。
今年はどうでしょう・・・。みぞれは降りませんでしたが、寒風吹き荒れ雨も降り寒い寒い。

家々ではフットクジンを迎えるため、お酒・なますと刺身、お土産を用意。

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福の神に水をかける。福の神から、炭をつけられる。

夕闇の中、ビロウを体にまとったフットクジンが、各家々に来訪。

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フットクジンがやってきた!

道すがら、子どもやシマの人たちは待ち構えてフットクジンに水をかけます。お返しにフットクジンから炭をつけられます。

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お水かけは水ごい。炭をつけで福を得られます。お陰でわたしも美人になった?!。

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身近にかみさまがいる暮らし。実際のところ続けるのは大変。でもやらないと落ち着かない。やると楽しい。年中行事は、地域の景観や心にのこる原風景。ここにつながる何かが原動力のひとつになっているのかも。

おまけ・朝、少しだけ顔を出してくれたお日さま。

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島っぽい太陽かしら?たいらは、亜熱帯のシマ。
だけど、島の冬はめちゃ寒。外に出ると東京と同じ、息が白いー。(^_^;)
あまりの寒さに、室内でもコートの上にエプロンを重ね寒さをしのいでいます。

 

2/18(日) はまどまシアター
~ 里山の恵み・伝統文化に出会う上映会 ~ 開催します。

            おくもにわ ・ すりかみがわ
上映作品 「 奥 茂 庭 ―摺上川の流れとともに」(1989年/52分)
撮影地:福島県福島市飯坂町茂庭・屶振・梨平・名号

2月18日。旧暦では1月3日。福島県奥茂庭(もにわ)に伝わる年中行事や手仕事の記録を上映します。一年を通し、身近にある自然を余すところなく利用した暮らしの映画です。

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内容は、茂庭村発祥の物語に始まり、一年を通した暮らしの手仕事、行事を記録。
正月行事(正月むかえ、正月おくり、小正月)。盆行事。炭焼き。しなだ織り。白鳥神社祭礼。

持続可能な生活技術の数々です。科学者とも言える目。受け継ぎたい技術や心がきっと見つかりますよね? みなさまのお越しをお待ちしています。

上映会のお申し込み、詳細は、こちらをご覧ください。

https://nora-yokohama.org/join/?p=8938

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