水の流れは絶えずして

第二二話 かわの流れを感じて

2015.7.1
水の流れは絶えずして

水の流れを最も感じることできるのはやはり「かわ」でしょうか
いままであまりふれてこなかった「かわ」の環境について、お話ししていきたいと思います。

源流から本流まで
いままでに何度か話題にしていますが、横浜のかわの源流と云えば谷戸の湧水です。谷戸の平坦面と丘陵・台地の斜面の境界(地形変換点)付近からじわ~と湧き出、地下水が表流水となると、谷戸の両脇をゆっくりと流れます。水の中にはホトケドジョウやサワガニ、メダカが泳ぎ、水面には縄張りを偵察するオニヤンマが小川を行き来し、夜になると幻想的な光をはなつホタルが飛び交う、このような情景が思い浮かぶでしょうか?
この小川の水は、ため池に水を供給し、水田を潤し、そして河川へ

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原風景の残る谷戸 田んぼの脇を小川が流れ、田んぼとつながっている

 

かつて横浜にあたりまえにあった風景ですが、この原風景を見ることができる場所も今では、ごく限られた場所となってしまいました。
最も大きな原因は、宅地開発に伴う谷戸の消滅、谷戸が埋め立てられると小川も埋め立てられてしまうことも多くあります。

では、地形が残っていれば、小川のいきものも生き残れるのでしょうか。

畑になった谷戸

 

 

谷戸の水田が畑になると、水田を繁殖の場としているホタル(特にヘイケ)やトンボも減ってしまいます。

 公園になった谷戸
公園となった谷戸、人工地盤が多くなると、いきものもさらに減少してしまう。

団地になった谷戸

造成され、完全に改変されてしまった谷戸。小川は何処に行ってしまったのでしょうか?

では、谷戸の湧水はどこに行ってしまったのでしょうか?
何日も天気が続いて雨が降っていないのに、道路の下から水の流れる音を聞いたことはありませんか。近くに『雨水』と書いてあるマンホールがあったらそっと耳を近づけて下さい。

かつての谷戸 マンホール

かつての谷戸田が造成された住宅と雨水マンホール

 そのには、かつて小川のせせらぎを流れていた湧水が、人目に触れずそっと流れているのです。
ちなみに、この地下の水路を伝って、生きものたちは今でも川と谷戸を行き来しているのを知っていますか?

水の流れは絶えずして