01月09日 (水)|実践ゼミ06「竹活用による竹林問題の解決法~竹灯籠祭り・乾燥筍・竹剥機実演」レポート
まちの近くで里山をいかすシゴトづくり実践ゼミ06「竹活用による竹林問題の解決法~竹灯籠まつり・乾燥筍・竹剥機(実演)」を開催しました。
参加者は、一般参加者20名、ゲスト・スタッフを合わせると24名でした。
今回のゼミのメインゲストは、全国の市民活動団体のなかで、竹の活用に関してもっとも知識や経験をお持ちであると思われるNPO法人日本の竹ファンクラブの平石真司でした。
平石さんは竹林の保全方法について詳しいのですが、今回は活用に焦点を絞って、竹灯籠まつり、筍加工品を中心にお話しいただき、加えて、プラスチックに変わる素材としての竹の可能性についても言及していただきました。
モウソウチクの筍といえば、土の中に隠れているところを見つけて掘り起こすイメージが強いですが、「穂先筍」と言って、竹が成長してから切り取る筍もまた美味であることなど、参加者からの質問に応じて、さまざまな引き出しから話題を提供していただきました。
平石さんのお話の後で、参加者の注目を集めたのは、竹剥ぎ機の実演でした。
NORAでは、竹細工教室の人気が近年非常に高まっており、多くの受講生のために用意する竹ひごの製造を効率的にしようと考え、昨年秋に動力を用いて竹を薄く剥ぐことのできる機械を2台(粗剥ぎ用、薄剥ぎ用)特注で購入しました。このような機械は、かつて竹細工づくりが盛んだった頃には、全国で見られたようですが、今日ではなかなかお目にかかることができません。実際、竹剥ぎ機を製造できるところを探したのですが、ようやく山口県の業者1社を探せたたような次第です。
今回の実演を見れば、手仕事で竹ひごをつくるのに比べて、格段にスピーディーにつくることができることがわかります。
微妙な調整が必要ではありますが、非常に手間がかかってボトルネックとなっていた竹ひごの生産効率が高まれば、竹林保全と竹の利用が大いに進むと思われました。
※今回の出演者
平石真司さん(日本の竹ファンクラブ)
西村ユタカさん(農力向上委員会)
下山康博(よこはま里山研究所)
今回のゼミでは、竹細工に関心のある人が多く参加していましたが、筍の利用にも関心を持つ機会となったようです。
さまざまなアプローチによって、竹・筍を活用し、竹林の保全につなげられればと思います。
ゲストおよび参加者の方々、ありがとうございました!
参加された方の感想
・これまで知らなかった竹のことがよくわかりました。実践者の方々の具体的な取り組みや考え方がわかり大変参考になりました。
・穂先竹の子で孟宗対策、すぐ実践できそうです。具体的なお話、デモンストレーション含め、とてもためになりました。
・今は貪欲にいろいろ参加してみるようにしています。実際に私には出来ませんが、西村さんの考え方に共感。家内の実家のタケヤマも、穂先筍を採取しながら手入れしてみようかと思いました。竹水もかな。竹細工はやってみたいとは思うものの時間が無いなぁ。手作業は大好きですが、はまると置き場所に困りそうです。どうもありがとうございました。竹のことを知るいい機会になりました。
・竹ファンクラブの平石さんは竹を使って収益事業の可能性・実践されている話をされ、興味深かった。これまでやられてきた収益事業についてもう少し具体的に深くお聞きしたいと思いました。
・会場が手狭でやや窮屈でしたが、その分、コンパクトに意見交換等できたのはむしろよかったのかもしれないとも思います。ただ、週末開催など、もう少し時間の余裕が持てて、テーマに対する興味を共有できる参加者及び話題提供者の皆さんと(感想の披露等にとどまらない)意見交換などもできたらなおよかったように感じました。
・平石さんのお話がとてもおもしろかったです。やはり、実際に活動してきている人はかっこいいです。