07月15日 (水)|2009.7.15 今は、地産地消・崩壊前夜「宵宮(よいみや)」

 前回まで、八百屋さんでもなく、生産者でもない・・・というお話を書きました。では、いったい何者なのか?なぜ、神奈川県内産・生産者限定の農産物のみを扱っているのか?ほとほと、(手短な)自己紹介に、いつも困っています。

約10年ほど前に、「やっと、地産地消の時代がやってきた。」と発言したら、「地産地消」を推進してきた当時の仲間、主婦や労働者たちから、どこに?そんなもの、誰も考えてなんかいないよ!と、笑われました。

5年前、神奈川県内産のみを提供したい、と考えた時でも、見向きもされないだろうというのが大方の見方でした。まあ、「流通関係者」から見れば、今でも変わりはないでしょうが。(20年前には、「なぜ神奈川なんかにこだわるのか?神奈川の農業なんかに未来はないのに・・。」と言うのが「流通関係者」の常識でした。)

ついでに言えば2010年までに食糧危機が日本にも来るだろう、できれば軽めに来て欲しい、そうすれば、危機が現実にいつ来てもおかしくないと、やっと、多くの人々が気がつくだろうから…。と言っていたら、昨年、様々な価格高騰とともに食糧の高騰も起こり、「食糧危機」が連日の話題になりました。

私は、「地産地消」のブームが来るから、神奈川県内産・生産者限定の農産物を紹介してきたわけではありません。次の段階に少しでも備えるために、生産者と身近な市民の関係を、できる限り作っておきたかったのです。

次の段階とは、「地産地消」の崩壊です。おそらく、ピークを迎えたあとは、崩壊していくだろう、というのが5年前からの私の予測です。そして、今年あたりが、どうやらピークのように思えてなりません。

今日付けの「日本農業新聞」の記事の中から、以下の数字をご紹介します。
■2000年の日本の農業者数…389万人
■2009年の日本の農業者数…289万人 10年で100万人減少
■本格的な農業の担い手「主業農家」の数→この1年で2万戸減少。最近15年で半減し、34万5 千戸になった。
■39歳以下の若き農業者の数は、3年間で6万人近く減少し、23万人ほどになった。

同じく今日づけの「日本農業新聞」の一面トップ記事は、「(自民党が)地産地消推進で法案を(今国会に提出する)」というものでした。

地産地消では、農業で生活できない農業者が、日本では圧倒的多数だというのに。

(ゆたぽん記 20090714)

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