04月03日 (金)|2009.4.03 食べる人の心が、作物にこめられてかえってくる?
野菜市レターより…
神奈川県内の特定の生産者が育てた農産物だけを販売する。現代では極めて特異なスタイルで丸々4年も続けてきてしまいました。
今の時期には三浦半島の先端に近い金田漁港のそばから、伊勢原の大山の裾野、平塚と伊勢原に広がる県内一の平野に今も広がる水田地帯。中井町と平塚市の境目に広がる高台は遠藤原。ここは「かながわの里山と緑の公園(神奈川県観光協会)」というガイドブックにも紹介されている県下でも五指に入るであろう農業地帯です。同じく里山の風景として紹介されているのが、中井町の中村川流域。さらに小田原市下曽我は、落葉果樹と柑橘の郷。横浜に戻れば、瀬谷の「海軍道路」周辺に残る広々とした農地。まもなくサクラ並木が見ごろになるでしょう。
これらの地域をぐるっと回って皆さんに、それぞれの生産者が心を込めた農産物をお届けしています。
心を込めた、というのは、心のこもっていない慣用句のようですが、逆に皆さんの心を生産者に伝えたとき、生産者家族は、ほんとうに心から、やりがいを、農業への意欲を高めていることは間違いありません。利用する皆さんの心が、生産者の心に届き、さらによい農産物づくりに結びつく、という、利用する皆さんが受け身ではなく積極的に求めることによって、作物に生産者の心、それは皆さんの心から発した、が込められていくように思います。
農産物の販売のスタイルは、いろいろです。私は裏方で、何人もの人たちがボランティアで販売してくださるところもあります。お客様として利用している人が販売に回り、自分が使った感想をお客様に伝える、料理の仕方、無駄のない利用方法、保存の仕方、子どもたちへの与え方、お客様どうしのコミュニケーション。
少ない品揃え、週に一回限られた時間帯だけの販売。いわゆる「お客様ニーズ」には程遠いわがままなスタイルですが、みんなが手にして嬉しくなれる作物を、子どもたちに、次の世代につなげる、それが当たり前になるためには、まだ必要かもしれません。
(ゆたぽん)