11月04日 (木)|2010.12.04 神奈川野菜の食事会 Vol.46
11月4日(木) 午後7時~「はまどま」にて
関税を例外なく撤廃することが条件だという貿易協定・環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加を、菅首相が所信表明演説で表明し、与党内でも賛否がわかれる騒ぎになった直後の食事会でした。
横浜でのアジア太平洋経済協力会議・APEC開催(11月7日~14日)に向けての発言で、日をおうごとにTPPとはなんなのか?何が問題なのか?マスコミも、巷でも話題が広がっていきました。
2001年9月10日に、日本で初めて狂牛病に感染した牛が発見されたと報道されたとき、翌日が、あのアメリカの同時多発テロの9.11.世界も日本も騒然とする中で、「狂牛病」の報道も日を追うごとに盛んになり、11月の末には、当時の武部農林水産大臣が、「狂牛病」の全頭検査をすると発表し、国から都道府県に予算執行が移りながらも現在まで都道府県の判断で、全頭検査は続いています。現在生後20ヶ月齢までの牛の輸入を認めていますが、アメリカは、全頭検査には科学的な根拠がない、として全面的な輸入解禁を求めています。
TPPが実施された場合、この国産牛の「全頭検査」や、輸入牛肉の月例制限は、どうなるのか?
私は、2001年当初から、全頭検査には疑問を持ってきた立場です。それが、ほんとうに国内産の肉用牛の生産を守ることになるとは思えなかったからです。
今後は、国内産には、検査を続けたまま、輸入牛は、さらに廉価に、無制限に国内に入ってくる可能性も指摘されています。
TPPに関連して、農家は大変だ、農業が大変だ、という声が聞かれます。もちろん、大変には違いありません。が、絶望的なのは、生産手段をもたない都市に暮らす我々が、何を口にできるのか、ということです。特に経済的にゆとりの無い私たちが。今でも、国内産の黒毛和牛を食べられるのは、一部の人々なのですから。
神奈川エリア産(畜産・水産物・味噌までも含め)ほぼ100%(しかも、生産者があきらかな)の食卓を、みんなで囲むことができる、そのことに価値を感じる者にとっては、いつまでも続けられるようにと願います。 しかし、神奈川エリアから生産される食糧は、とことん食べつくし、足りなくなるくらいでなければ、日本全体の食糧生産を未来に引き継ぐことはできない、と、私は感じています。
(ゆたぽん)