林野庁の里山林調査

2009.3.14
ひねもす里山/NORA雑感

昨年度から私は、林野庁の森林・林業基本対策推進事業(里山林再生戦略の確立に向けた基礎調査)に関わっています。これは、林野庁が(財)林政総合調査研究所に委託している事業で、私は調査研究委員という立場で、年に2-3回開かれる委員会に出席するほか、先進事例を調査して報告を書きます。調査研究委員会の構成は次のとおりです。

委員長:宮林茂幸(東京農業大教授)
委 員:中川重年(京都学園大学教授)
委 員:山本信次(岩手大学准教授)
委 員:奥敬一(森林総合研究所関西支所
委 員:齋藤映夫(千葉県森林課副課長)
委 員:竹田純一(里地ネットワーク事務局長)
委 員:開発法子(日本自然保護協会研究担当専門部長)
委 員:久保田繁男(森づくりフォーラム事務局次長)
委 員:松村正治(よこはま里山研究所理事長)

今年度、私は龍谷大学里山学・地域共生学オープン・リサーチ・センター(里山ORC)の調査報告を執筆することになりました。昨日が、そのレポートの提出期限だったので、朝から最後のまとめにとりかかり、なんとか間に合わせました。
林野庁がこのような事業を実施する背景としては、来年、生物多様性条約第10回締約国会議が名古屋で開催されるのに合わせて、環境省が里山=SATOYAMAを世界に発信しようとしている(SATOYAMAイニシアティブ)ことがあるようです。環境省は里地里山保全・活用検討会議を設置して、全国の里地里山における保全再生の取組の調査・分析をおこなっていますから、国有林を管理し里山「林」を扱う林野庁としても、負けじと何か目立つことをしたいのかもしれません。しかし、これまで林野庁では生物多様性という観点が弱かったので、この事業でも今ひとつ担当者の意向がよくわからないまま終わってしまった感じです。それでも、全国の都道府県と市町村を対象にアンケート調査を実施し、いくつかの事例を調査したので、こうした大量のデータは貴重です。広く社会に還元できればよいのですが。

(M_M)

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