02月18日 (土)|まちの近くで「里山とかかわる仕事と暮らし」フォーラム報告

2017年2月5日(日)、多摩市立グリーンライブセンターで、まちの近くで「里山とかかわる仕事と暮らし」フォーラムを開催しました。
参加者は50名。このうち、おもな対象としていた20-30代の方々が25名集まりました。

前半は、話題提供者7名から、ご自身のライフヒストリーとともに、働き方・暮らし方についてお話いただきました。後半は、前半の話題をもとに、7名にホストになっていただき、ワールドカフェを3ラウンドおこないました。
閉会後は、畑deキッチンで懇親会を開き、30名以上の方が交流を深めました。


このイベントは、NORAがすすめている「里山をいかすシゴトづくり」プロジェクトの一環として開催しました。しかし、今回は「シゴトづくり」よりも「仕事と暮らし」、つまりワークライフバランスを重視して、テーマを生き方にシフトさせました。このため、先進事例・優良事例の紹介ではなくて、ライフヒストリーとともに、今の仕事と暮らしについて正直にお話していただきました。
また、今回は「里山」の意味を「地域の人びとが手入れしてきた自然」くらいに広くとらえてみました。農地と林地を分けたり、里山林と人工林を分けたりするよりも、地理的に都市近郊であることと、人と人のつながりや自然とかかわりに対する価値観に共通する点があることを大事にしたかったからです。特別ゲストでお招きした寺川さん以外の6名は、ここで言う「里山」とかかわる活動を、横浜~多摩地域でされている30代~40代前半の方々でした。
一方、参加者の主な対象は、「里山とかかわる仕事と暮らし」に関心のある20~30代と年齢層を明確にしました。つまり、話題提供者より少し年下の層というイメージでした。
今回のイベントは、そうした関心層と実践者とが出会う機会をつくりたいと思って企画したものです。だから、もとから何か結論を出すとか、疑問を解消することなどを目的としたのではありません。これを起点にして、この場に集まった人と人の間に有機的なつながりが生まれ、何か化学反応が生じればと思って開催しました。
今回はきっかけをつくったに過ぎません。このイベントの真価は、この場に集ったすべての人びとによって、これから問われてくるのだと思います。

【話題提供してくださった方々(発表順)】

寺川裕子さん(NPO法人里山倶楽部)<特別ゲスト>
石山恵子さん(遊学の道Project、むかしごと研究会NPO法人森づくりフォーラム
小池一美さん(青葉区民、コマデリ
塚原宏城さん(一般社団法人まちやま
井手大さん(LOCAL DESIGN LAB
飯塚潤子さん(株式会社東京チェンソーズ
竹村庄平さん(Bamboo Village Farm

小林奈穂子『生きる場所を、もう一度選ぶ―移住した23人の選択』(インプレス、2017年)に、飯塚さんのことが取り上げられているそうです。

<アンケートの自由記述より一部抜粋>

  • 時間は足りないと思うこれぐらいがちょうどいいと思いました。話題提供者が多いほうが懇親会や今後を含めた可能性が広がるためです。また時間が限られているからこそ初対面でも遠慮するヒマがないため活発な議論に結びついたと思います。
  • 率直な感想としては、多くの人たちが里山とかかわることを仕事にしていく(平均以上の満足な収入を得る)のはまだまだ難しいのかな?と感じました。ワールドカフェでも話が出ていましたが、不動産をからめたり、塚原さんのように環境教育の場としたり、コマデリさんのようにお料理を提供したり、井出さんのようにデザインを売り物にしたりと、+αの要素(自分の社会的な特技・スキル)が仕事という部分ではポイントなのかなあと感じました。
    しかし、今私の中にある希望としては、里山的な暮らしは田舎でしかできないと思いがち(私もそう思っていました)ですが、このトナイナカでは身近な自然とのゆるやかなつながりの中で可能になるのではないかと感じていますし、このフォーラムでさらにその想いを強く持ちました。
  • どの方のお話も感動しました。
    里山に仕事として関わる事と向き合った時に、やはり生半可な気持ちではない事が伝わってきました。それは、里山と関わりたい私にとっていい刺激になったと共に気持ちを改められました。
    また、実際にお話したりFacebookで繋がったりとお近付きになれた事が何よりも嬉しく、これからの活動に活かせる機会となりました。
  • どの方も自分の理想とすることを実現するために、軸をぶれずに積極的に行動されているのが印象的だった。周りにあまり縛られずに、自由に行動されているのをうらやましくも感じた。
    また、ワークショップや懇親会で、様々な立場、業種で里山にかかわっていらっしゃる方々と知り合えて、刺激となった。
  • とても良かったと感じています。年代的に近い人(私は33歳)が活躍されていることを見て、自分も頑張りたいと感じました。良いと思うだけでなく次の行動に移したいと思いますので、また連絡したいと考えております。
  • ワールドカフェの時間が少し足りなかったです。でも、参加者の顔と課題を知るきっかけづくりと受け止めていますのでご安心ください。懇親会では情報交換、訪問の糸口ができました。ただ、懇親会の場でもネームプレートがあればもっとストレートにいろんな方へ声をかけられたのではないかと思います。料理はボリュウムもあり、(お世辞抜きで)とても美味しかったです。
  • ボランティアだけでなく、仕事として業として、里山で活動ができる若者が増えるように願っています。本当に良い機会をありがとうございました!
  • 話題提供者はみなさん素晴らしかったので、印は「特に」という意味です。贅沢な話ですが、今回参加させていただいて、「素晴らしくない里山との関わり」を実践されている方のお話を聞いてみたくなりました。ぐうたらな里山、不真面目な里山、アウトローな里山、絶望からの里山とかとか。(あるのかな?)「素晴らしい里山」と合わさると、なんか面白そうなことが起きそうなワクワク感が。。。などと勝手に夢想しております。
  • 「里山にかかわる仕事と暮らし」を広い視野からとらえて、多様なスピーカーを呼ばれたのが良かったです。自分の視野も広がると同時に、すでに一歩踏み出している20~30代の人たちの存在をたのもしく思いました。次回は、孤軍奮闘している彼らへの支援のあり方や社会の仕組みづくりについて、年輩世代があつまって議論してはどうかと思います。
  • 短い時間の中で、できる限りの内容にしていただいていたかと思います。
    希望があるとすれば、現場よりの仕事に従事されている方が多かったので、少数で結構ですので、現場から少し離れたところの仕事の紹介があると有難いです。例えば、バイオマスエネルギーの事業をされている、企業の方など。

<話題提供者からのフィードバック>

竹村庄平さん(Bamboo Village Farm)から

Q. 農育・食育に向けた次のアプローチは!?
A. 今までは、畑を中心にしていたのですが、自分でもレストランなど畑以外の場所でも少しずつ広げて行こうと思っています。今までは自分の友達達が中心だったのですが、こういう新しい機会も増えていければ、また違ったアプローチや人脈も広がるかと思っています。

Q. 手伝ってくれている人たちのライフスタイル・働き方は?
A.来て頂いてる人たちは、農業生産法人に勤めてたり、食や農に関わってる人もいますが、基本的にはサラリーマンが多いです。週末や朝や夕など空いた時間に、畑や自然と接するようなライフスタイルを志向する人達が多いですね。プランターなどを持って来て頂ければ、種や土をさしあげたり、より一歩踏み出しやすい事は考えていますが。

Q. 都市農業だから農育をやりやすいか?田舎など農業が周りにある所で農育をやるにはどういう事をやったらいいのか?
A. 都市の場合、圧倒的に農家の数が少なく、緑も少ないので、ニーズが多いように感じます。一方、田舎の場合は、農業でもサラリーマン並みに収入を得られることが第一で、そこが大きな壁になってるような気がします。農業に接することも重要ですが、農業者がゆとりを持てるようになることが・・・。ダイレクトに農家や地域の子供たちの食育・農育になると思います。

Q. 今の活動が地方に広げて行くには?
A. 上記と近いのですが、まずは農業で余裕を持てる所までいけるかが最大のポイントになると思います。そこさえクリアできれば、表現したい人は表現すると思うので。

Q. 人を呼ぶ方法としてFBや口コミ以外にありますか?
A. 登壇して頂いてた皆さんみたいにNPOや団体コラボするのはわかりやすく呼びやすいです。ほかにも、農業の場合はレストラン・学校・地域の活動してるスポーツやボーイスカウトなど。

Q. 田舎の農業に感じだ限界とは、どのようなものですか?
A. 物理的な距離の問題は大きいと思います。援農・配達などは難しくなります。どこに送るとしても送料がかかり、2-3割は配送業者に持っていかれてしまいます。鮮度や箱のサイズに合わせた配送など。顔と顔を合わす機会の少なさ。モチベーションの維持なども。
都市と田舎では、農業という言葉は同じですが全く違うものだと僕は思っています。

<イベント当日の様子>

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ワールドカフェの間に「えんたくん」に書かれたメモ(画像をクリックすると拡大されます)
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