里山ガーデンの過去と未来を考える(その1)
2018.7.13その他
「植物公園予定地パブコメでてますよ。都市緑化フェアの会場だって」
2015年2月、全国都市緑化よこはまフェア 基本構想のパブリックコメントが実施されました。その概要版には、ざっくりとした利用イメージしかなく、花畑ゾーン(あとの大花壇)、生物多様性ゾーン、新緑の里山、花の里山、花と緑のライフスタイルゾーン、といった名称だったために、現状維持くらいにしか考えていませんでした。
しかし、4か月後にアップされた都市緑化フェア基本計画書を見て愕然とします。
長い谷戸を埋め立て花絨毯とし、森の中にも花卉を植え込み、いたるところに植栽を施す内容でした。もともと希少な植物を避難させた場所だけが生物多様性ゾーンとし、上流部の1haの山を削って広場を作る、という内容に、「これまでのみどりアップ施策とは何だったのか?」と疑念を抱くほどだったのです。
郊外部の緑を守り、緑被率を少しでも維持できるように「みどり税」が導入されたはず。その税金を使って、緑の量だけではなく質を向上する取り組みもすすめていたはず。
市民の森や樹林地のある公園では、生物多様性保全の考え方を共有し、市民協働の管理運営をあちこちですすめられてきていました。
また、「植物公園予定地」は当初計画から30年もの間「塩漬け状態」で、途中に基本構想案が市民参加型で作成されていたことを覚えていましたから、「それはどうなった?」との思いがありました。「30年間の塩漬け」は、今となっては生きものたちにとってオアシスとなり、多くの種が眠る場所となっていたのです。拓く方法を間違えれば熟成どころか「腐敗・壊滅」となってしまうので、少しでも将来にわたってつなげられるよう声をあげるべき、と判断しました。
2015年7月 夏の風が抜ける谷戸
2015年7月: 意見書を提出
8月: 緑化フェア担当及び公園整備課との意見交換会①
<横浜市から>
・植物公園の計画は何も決まっていない。
・谷戸の埋め立てはせず、湿地に適した植物を植えるようにする。
・既存の園路を管理用工事車両がすれ違えるように6m幅(現状は3m弱)にする。
※工事車両なら退避場をつくればよいだけ。10月になって「シャトルバス」を
通す計画だったことが判明。
9月: 工事着工。園路沿いのサワラ並木の伐採、エントランス側の山の開発(約1ha)、森の中にサクラやサツキが密植される。
12月: 緑化フェア担当及び公園整備課との意見交換会②
・1回目の意見交換会とほぼ内容は変わらず。市民や植生専門家等も交えた会議の設置を希望したが、その後開催されなかった。
・施工については、行政内部で再検討が行われたらしく、ところどころ微修正された。
2017年3月25日 都市緑化よこはまフェア 里山ガーデン開始
6月4日まで72日間。337,600人の来訪者数。(photo2)
2017年8月23日 林市長定例記者会見で「里山ガーデンの継続」「ガーデンシティ横浜」を打ち出しています。
2017年9月22日~10月22日 31日間 秋の里山ガーデンオープン。
入口エリアと大花壇のみ。このエリアは開園時間があり、9時30分~16時。
2018年3月24日~5月6日 44日間 春の里山ガーデンオープン。
秋と同じく入口エリアと大花壇のみ。開園時間: 9時30分~ 16時30分
2018年4月より、みどりアップ推進課に「ガーデンシティ推進担当」設置。
NORAでは、2017年5月21日に「意見交換会:里山ガーデンの過去と未来~動物の森公園を考える」を開催、さまざまな意見をいただきました。
2018年5月3日には、「里山ガーデンへ「里山」を探しに行こう!」というツアーを行いました。
意見交換会で得られた意見等についてはこちら(その2をリンク)で報告します。