対馬下島のヤマネコ

2009.9.14
ひねもす里山/NORA雑感

9/14-16の日程で長崎県対馬へ行くことにしました。
ちょうど時期的には、タカの渡りの季節だったので、
福岡発の飛行機には、バードウォッチングを
目的とした団体さんが乗っていました。
昨日は、10,000羽を超えるアカハラダカが渡っていったそうです。
(↓YouTubeに、昨日の渡りの動画がアップされていました。)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=tbUzxVevqqA

渡りの観察ポイントである内山峠へ行ってみましたが、
今日は天気がすぐれないせいか、時間が悪かったのか、
アカハラダカは見られず、
バードウォッチャーの方々は一休みしていました。

0909tsushi2.jpg峠からタカの渡りは見られませんでしたが、 黄色く色づいた田んぼが森のみどりにぐるりと囲まれた 内山集落が見えました。 ここは、集落ぐるみでグリーンツーリズムを推進しているようです。0909tsushi1.jpg0909tsushi3.jpg

対馬には、この島にしかいないツシマヤマネコが100頭ほど生息しています。
ヤマネコの生息空間は、南北に長い島の全域ではなく、上島にほぼ限られています。
実は、下島では1984年を最後に生息が確認されていなかったので、
絶滅したものと考えられていました。
そこで環境省は、絶滅した下島に対して、
飼育下で繁殖させたヤマネコを再導入しようと計画しました。
兵庫県豊岡にコウノトリを、新潟県佐渡にトキを、
それぞれ放鳥して、鳥類における再導入の実績を作ったので、
次の段階として哺乳類にも挑戦しようとしていたのです。
(「ツシマヤマネコ再導入基本構想」)。

ところが、2007年5月、すっかり絶滅したと思われていた下島で、
生きたツシマヤマネコ1頭の生息が確認されました。
内山周辺に設置した自動撮影カメラの写真に、
はっきりとそれとわかる個体が映っていたのです。
このため、再導入構想も見直しが迫られ、
下島にどの程度ヤマネコが生息しているのか、
徹底的に調査することになりました。
その結果、下島にはツシマヤマネコがいるとしても、
やはり、その生息密度はとても低いことが確認されました。
これから再導入に向けた動きは進んでいくと思いますが、
そのなかで内山集落は重要な役割を担うことになるのでしょう。

0909tsushi5.jpg

(電柱で一休みしているサシバ)

0909tsushi6.jpg

(ツシマヤマネコの動物事故に注意を喚起する看板)

(M_M)

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