M君のヤマネコ米づくり
2009.9.15ひねもす里山/NORA雑感
対馬には4年前から毎年訪れています。
10歳年下の友人M君が住み始めたので、
彼に誘われるようにして通うようになったのです。
対馬へ行くときは、たいてい彼の家に泊めさせてもらっています。
M君は、環境省の任期付きレンジャーとして対馬に来てからずっと、
ツシマヤマネコが島でずっと生息できるような環境づくり、
人が自然と共生できる島づくりに東奔西走しています。
これまで、スギの人工林からドングリのなる広葉樹へ転換する
「とらやまの森再生プロジェクト」や
(「とらやま」はツシマヤマネコの昔からの呼び方)、
森林化していく草原で野焼きを復活させる(40年ぶり!)
「千俵蒔山草原再生プロジェクト」などを手がけてきました。
ともに、地域の環境に手を入れることによって、
ヤマネコの餌となるネズミ類等が増加するものと期待できます。
これらは、M君みずからが地域住民の中に入り、
多くの人びとを巻き込むことで動き始めた
自然再生・地域再生のプロジェクトです。
バイタリティにあふれるM君ですが、
今年からは無農薬で米づくりも始めました。
そして、彼が住む佐護集落に宇根豊さん(農と自然の研究所)を招き、
田んぼの作業と並行して虫見板を使った生きもの調査も始めました。
先月には、集落の人たちと「佐護ヤマネコ稲作研究会」を発足させ、
ヤマネコのブランド米を作れないかと検討中です。
昨年の夏に訪れたときは、環境省の任期切れを控えて、
島に残るかどうか、残りたいけれど仕事をどうするかと悩んでいましたが、
このたび対馬市の職員に採用されることになり、
M君はもちろんでしょうが、私もとても喜んでいます。
まだまだ、対馬通いは続きそうです。
(M_M)