イキモノ部番外編~柿渋隊に参加!

2009.9.6
ひねもす里山/NORA雑感

獣害対策支援センターさん主催のイベントに参加し、
富士山を臨む秋晴れのなか、青々と実る渋柿を収穫しました。
この日、青柿を収穫した場所は、民家が密集する地域ですが、
数年前にツキノワグマが出没し、熟した柿を食べていたそうです。
08収穫風景.jpg
この地域でも住民の高齢化などにより、管理や手入れが行き届かない
柿の木が多く残されているそうです。
熟した柿が放置されると、ニホンザルやツキノワグマを
誘引する原因にもなります。
対策としては柿の木を伐採する選択もあるそうですが、
熟する前の青柿を収穫し柿渋を作ったり、
熟した柿を収穫し干し柿を作る試みをされているとのことでした。
07青柿.jpg
柿渋は防水・防腐効果を持つため古くから利用され、
特に農山漁村では生活必需品として、日常的に用いられていました。
例えば、養蚕用具や漁網などの用具に使われたり、木工製品や
和紙への塗料として、麻や木綿などの染色にも利用されるなど、
生産も盛に行われたようです。

しかし、戦後、科学塗料などが普及すると、日常生活における
柿渋の利用は激減したそうで、私も意識しなければ、
柿渋を目にすることはほとんどなかったと思います。

さて、作業には地元の柿とり名人もおられ、
竹を使って手早く作業する後姿が颯爽としていました。
10柿とり名人.jpg
作業時間はそれほど長くありませんでしたが、
高いところにある柿を採るのは、かなりの重労働と感じました。
収穫後、青柿を粉砕し(この作業もけっこう大変)、
牛乳パックに入れ各自持ち帰り、発酵させた後、
搾って1年以上寝かします。
27へたとり.jpg

30柿つぶし.jpg
昼食は、柿の葉寿司やイノシシスープ、イノシシ肉
ブルベリージャム添え、じゃがいもの薬味と味噌の和えもの、
干し柿のクリームチーズ添えなどなど、
スタッフの皆さまの手作りによる素敵なおもてなし料理でした。
35昼食.jpg
富士北麓で、秋晴れのさわやかな空気のなか作業をし、
美味しいものをいただき、また、スタッフの方から
富士山麓の獣害の現状や対策についてお話をおうかがいするなど、
「柿の木」をひとつのキーワードに、私たちをとりまく自然環境や食、
先人たちの知恵や工夫に改めてふれる一日となりました。

ちなみに、1年後うまくできあがるであろう(祈!)柿渋は、
すっかりはげてしまった、自宅のちゃぶ台と縁台に塗ってみようと思います。
(Tanji)

獣害対策支援センター
http://www.k4.dion.ne.jp/~jugai119/

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