リサイクルとグループホーム(共働学舎)

2009.10.23
ひねもす里山/NORA雑感

今日は、ゼミ生を連れて、大学の近くにある「社会福祉法人 共働学舎」を訪ねました。この法人の目的は、1)障害者が障害者としてしか生きられないことを克服する、2)障害者が自立して、自分で自分の職業を持つ、と掲げられています。一方的に、誰かが誰かに「してあげる」という関係ではなく、お互いに助け合って生きるための場所です。

共働学舎には、田中公明さんという一風変わったおじさんがいます。私は田中さんと話をするたびに、いつも何かに気づいたり、学んだりしています。普段見過ごしてしまうこと、疎かにしてしまうことの中に、よく考えるべき大切なことがあることを教わっています。田中さんは、けっして私に教えようとしているわけではないはずですが、本質的なことを外さないので、近くにいたり、話をしたりするだけで、とても勉強になるのです。ぜひ、私の学びを学生にも経験してもらいたいと思い、2年前に田中さんを私が勤める大学の客員教授としてお招きしました。しかし、学生からすると、単なる「変なおじさん」として受けとめられているのかもしれません。

共働学舎で実施している事業は多彩です。その中にあって、大規模におこなっているのはペットボトルのリサイクル事業です。なんと、町田市、日野市、府中市から出るペットボトル年間1,600tを一手に引き受けています。これを、粉砕→洗浄→乾燥させて、卵パックの原料となるフレークを生産しています。このほか、雑古紙を回収してトイレットペーパーを作り、廃油を回収してバイオディーゼル燃料を作っています。さらに、鶏を飼っており、残飯や野菜屑を食べさせ、鶏糞は畑の肥料になり、採れた野菜は職員と障害を持つ利用者が全部食べます。ごみの出ない循環型社会ができあがっています。

共働学舎へ行って驚くのは、こうしたリサイクル事業だけではありません。グループホームを案内していただくのですが、RCあり、2×4あり、数寄屋建築あり、ログハウスありと、非常に多様なことにも驚かされます。ここには、障害者の多様なニーズに最大限応えようとしてきた共働学舎の姿勢が現れています。私の問題意識からすると、障害者にとって良い環境とは?を考えられる、とても勉強になる場所です。
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