第8回 七草を探しに

2010.1.31
イキモノのにぎわい

七草のころ、横浜市内の里山に七草を探しに行ってきました。
セリ(芹)、ナズナ(薺)、ゴギョウ(御形)、ハコベラ(繁縷)、
ホトケノザ(仏の座)、スズナ(菘)、スズシロ(清白)。
スズナはカブのことで、スズシロはダイコンと作物ですが、その他は
田んぼのまわりの雑草です。
この日はまだ小さいものもありましたが、スズナ以外は見ることができました。

ナズナやゴギョウ、ハコベラは畦や土手、セリは田んぼのなかや水路など、
ある程度成長しているとけっこう目に入ります。
これに対して、ホトケノザ(※)は、田んぼのなかでしか見られません。
しかも土壌の微妙な水分量や日当たりなどが影響しているのか、限られた
田んぼの限られた場所にしか見られないのです。不思議です。

このホトケノザは、葉が放射状に平らに広がります。
吐く息が白くなるこの季節、地面に這いつくばるよう葉が放射状に平らに
広がっている植物たちをよく見ます。
これは冷たい風を避け、太陽の光を効率よく受けるため、葉が重ならない
ように交互に広げるという、厳しい冬を越すための植物の知恵です
(この状態を「ロゼット」と言います)。

七草と言えば、七草粥。
新暦の1月7日頃は残念ながらまだ七草はそろいません。
私の家では、セリやナズナ、スズナ、スズシロが入り、その他、小松菜、
信夫菜、ネギ、凍み豆腐など、そのときにある身近な材料で作った
雑炊に餅を入れて食べていました。
旧暦の七草(今年は2月20日)には、七草がそろそろ見られるはず。
最近は花屋さんやスーパーにもありますが、野にある姿を探してみては
いかがでしょうか。

(Tanji)

※ホトケノザ(和名はコオニタビラコ)はキク科の植物で、ピンク色の花が
咲くホトケノザ(和名)はシソ科で、別の植物です。