04月21日 (土)|モリダス内部研修~One Day Felling Training報告
日時:2018年4月21日(土)9:00~16:30
場所:川井緑地
講師:水野雅夫氏(Woodsman Workshop LLC./Forestry Safety Research(FSR))
参加者:4名(よこはま里山研究所3名、多摩グリーンボランティア森木会1名)
主催:森づくり安全技術・技能全国推進協議会(FLC)、モリダス
よこはま里山研究所(NORA)の活動の発展形で、横浜と多摩の仲間とともに新しい団体を立ち上げました。
名前は「モリダス」。
都市近郊の里山において、市民協働で保全利用していくガバナンスの仕組みを作る。
そのために、森のリーダーを出す。だから、モリダス。
モリダスは森づくり安全技術・技能全国推進協議会(FLC)の認定団体となり、FLCの協力を得て、スタッフ向けの内部研修をおこないました。
午前中は、参加者4名が、それぞれ1本ずつ木を伐倒しました。
今回は1日限りの研修でしたので、講師の水野さんは最初からいろいろとアドバイスするのではなく、参加者が普段やっているよう様子を見るところから始めました。
その間、一人ひとりの、1つずつの所作振る舞いを写真・動画に記録しました。
2本かかり木になったこともあり、午前中は4人が1本ずつ伐倒して、昼食休憩となりました。
午後は、午前中の作業を、写真や動画を見ながら、ふりかえりました。
水野さんによるダメ出しです。
水野さんの指導はけっして甘くありません。
それは何よりも、自分の命を守るため、自身が死なない、仲間を殺さないためだからです。
安全に作業するための手間を省けば、それだけ死ぬリスクが高くなります。
水野さんが指摘することは、リスクを最小限に低くすること、そして、そのリスクが発生した際に、命をまもる準備をすることです。
そのためには、伐倒の際には、(1) 木の重心、(2) 倒す方向、(3) 伐る位置、(4) リスクのある場所、(5) 退避場所を考えることが重要です。
どこに木が倒れるのか、予想があいまいなまま伐倒作業をしないことです。
そして、狙いどおりに木を倒すには、必要な知識や技術があります。
水野さんが口を酸っぱくして細かく丁寧にアドバイスされるのは、実際に林業災害が高い頻度で発生しているからです。
林業関係で1年間で死亡する人数は約50人ほど。対して、建設業関係では300人ほどです。
しかし、林業従事者の人数が約5万人であるのに対して、建設業は約450万人。
死亡事故の発生頻度で比較すれば、林業は建設業の15倍にもなります。
(森林ボランティア、自伐林業での死亡事故は、上の数字に含まれないでしょう)
伐倒作業に、プロもアマも関係ありません。
もし、ヒヤリハットを感じたことがあったならば、それは、すでに死んだものと考えるべきだと水野さんは注意します。
(すでに多くの森林ボランティアは死んだと考えるべきかもしれません)
ふりかえりとミニレクチャーを終えて、あらためて参加者が1本ずつ伐倒しました。
アドバイスの効果はすぐに現れ、狙いどおりに木を倒すことができました。
今回、内部研修を実施してみて、あらためてNORA/モリダスとして、楽しく安全に作業できる知識と技術の普及を努めていく必要性を感じました。
(参考:コラム「モリダス宣言!」)