新年に想う~ある里山の風景

2010.1.3
ひねもす里山/NORA雑感

明けましてオメデトウございます。
関東地方は、青く澄んだ空がまぶしいほどのお天気。
日ごろの街なか暮らしから、実家のある千葉県印西市で正月を過ごしました。

千葉ニュータウン中央駅は、「北総公団鉄道」という横浜では聞き慣れない路線にあります。
両親が移り住んでまもなく20年、小さなスーパーがひとつあった駅前は、
今では大型複合施設が林立し、ぜいたく?なほど、駐車場が広々としています。
しかし、駅から5分も車で走れば、田畑が広がり、高低差のない「谷津」の景色が
パノラマとなって現れます。

実家のある団地の駐車場の脇の街路樹に、「戸神 宗像神社 →」の小さな
手づくりの看板がかかっているのを見つけ、両親に聞いたところ、
つい最近になって貼られた、とのこと。場所はわからない、と。
それなら、初詣を兼ねて探索してみよう、となりました。

要所要所に小さな看板を見つけ、入り込んだ集落は、ちょうど台地の縁(へり)に
あり、台地の上の、いちばん見晴らしのいい場所に神社はありました。
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見ておわかりのとおり、新しい。
平成16年に改修し、鳥居なども新しくしたのだそう。
さて、印旛沼に近い印西市周辺には、宗像神社が13社あり、
治水・水産の神とされる3女神が祀られています。どれも千年ほどの
歴史があるそうです。
ここ戸神地区だけではなく、船穂地区にもある宗像神社も、平成10年ころに
改修されていました。
両社とも、駅からわずか車で5~10分ほどの場所です。

集落の氏子の方々が、初詣に訪れる人に御神酒を振舞ったり、
祭礼への参加を促したりしていらっしゃいました。
思わず、いろいろ聞いてしまいました。
「今年初めて看板つけたの? 何枚くらい?」
『昨年から出してみたけど、わからない、って言われたんで、
20~30枚くらい、あちこちに貼ってみた』
「氏子さんはどれくらい? 改修は大変だった?」
『隣の集落といっしょにこの神社を守っているが、約100人。
みんなで出し合って何とかできた』
・・・途中の会話で、
『駅からこっちは戸神なんだけどね。でも安く(土地を)買われちゃってね』

そう、大規模開発はかなり土地を「供出」させられる、と聞きます。

でも、たぶん・・・、そのお金の一部で、地元の大切な神社が改修できている。
それを守っていこう、新しく住み着いた人たちにも知ってもらおう、としている。

駅前の変わり様、土地を手放したことへのジレンマ。
神社を改修できた誇らしさ。
手づくり看板に込められた想いは、幾層にも重なり合っているからこそ
「戸神 宗像神社 →」というシンプルなものになったように感じます。
いや、たくさん作るから、単純にしただけかもしれないけど(笑)

日本の里100選にも選ばれた集落(印西市結縁寺)がある千葉ニュータウン。
街が里山を包囲した横浜と違い、
里山が街を挟みこんでいるような都市計画となっています。

街が作られるとき、土地を提供した人々やその地域と、
新しく作られた街との共生を、計画した人たちはどんなふうに
考えているのだろう・・・。
とか、いろいろ考えてみても、新たな年が明け、これからも年月を
重ねていくことが、おのずとその地域に住む多様な人々の暮らし方が
その地域を作っていくことには違いないのだな、と感じたのでした。
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<2010年 元旦に Miho>

 

ひねもす里山/NORA雑感