サッカーも里山も

2009.3.18
ひねもす里山/NORA雑感

今年、地元のサッカーチーム「町田ゼルビア」がJFL(日本フットボールリーグ)に昇格しました。JFLとは、Jリーグ(J1とJ2)と地域リーグの間にあるカテゴリーで、Jリーグに上がろうとしているチームとアマチュアチームから構成されています。町田ゼルビアは、「ゼルビア2011年(イレブン)宣言」を掲げ、2011年にJリーグ昇格を目指しています。ですから、将来、J1リーグで良い成績を収め、アジアチャンピオンズリーグを勝ち抜くと、クラブワールドカップに出場できるかもしれません。地元のサッカーチームが、イングランドのマンチェスター・ユナイテッドやスペインのFCバルセロナのような世界の強豪とも戦えるもしれないのです。そのことを想像すると、とてもワクワクします。
現在、町田ゼルビアは、2010年のJ2入りを目指しています。そのための条件として、今季JFLで4位以内に入ることのほか、ホームスタジアム=野津田陸上競技場(野津田公園内)に10,000人(J1の場合、15,000人)以上の椅子席や照明設備などが必要になります(「Jクラブについて」参照)。そこで、石阪丈一町田市長は、約8億円をかけて施設を改修する見通しを2008年12月に発表しました。

この町田市の動きに対して、野津田・雑木林の会は強い懸念を示しています。この会は、野津田公園をフィールドとして、里山の風景を守りながら、子どもが自然と触れる場として活用していく活動をおこなっている市民団体です。1980年に公園計画が決定されたとき、野津田公園は全面的にスポーツ公園となる予定だったのですが、野津田・雑木林の会は、農家の暮らしが息づいていた里山を守りたいと、署名活動、市への提言、自然調査などを展開しました。その結果、公園面積の約半分の東側24haに、雑木林・畑・草地などが点在する現在の景観が残され、以後、この会は町田市と協力し合いながら、里山景観を守り活用する活動を続けてきたのです。
こうした経緯があるにもかかわらず、石阪市長は関係団体・地域住民への周知もなく、野津田競技場の改修を発表しました。この突然の事態に、野津田・雑木林の会は大きな驚きと当惑を覚え、「町田市立陸上競技場(野津田公園)の改修について、より慎重な審議と住民との合意形成を求める請願」を町田市議会議長に送るため、2009年3月28日まで請願署名活動を展開しています。興味を持たれた方は、ぜひこのページ(陸上競技場改修に関する請願署名)にアクセスして請願書を読んでください。ウェブ上で署名できます。
ちなみに、これが請願書です(クリックすると拡大します)。
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私は、世界一の競技人口を誇るサッカーがとても好きですし、また、お世話になっている方が町田ゼルビアのスタッフをされていることもあって、地元のサッカーチームのJリーグ昇格を応援しています。一方で、NORAの活動を通して里山保全に貢献しようとし、また、職場で一緒に働いている久保礼子さんが野津田・雑木林の会の代表をされていることもあって、競技場の改修については、きちんと住民と合意形成を図ってほしいと思っています。この2つが対立するのではなく、両立されることを願っています。

(M_M)

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