堀内ウッドクラフト
2016.5.1日本の里山と世界の森林はつながっている
NORAとの出会いは、私が主な仕事としていた小田原漆器の仕事が激減していった2001年前後のことです。
漆器の木地師(漆を塗る前のお椀やお盆を加工する仕事)でしたが、安価な輸入漆器の増加と生活様式の変化から漆器を使われなくなったことで仕事が減り、新たな売り上げを確保するために環境に配慮した地元神奈川県産の材料を使った木製品の製造販売を始めました。その際に、神奈川県の林業や里山の勉強をする機会が増えNORAとも横浜市の事業などでお付き合いが始まりました。
その後、NORAとのお付き合いは疎遠になりましたが、全国規模の森林セミナーで三重の速水林業の速水享氏の講演を聞く機会があり、その際にFSCⓇ森林認証の存在を知り、山梨県有林が国内最大の森林面積で認証を取得した2003年の翌年の2004年に、FSC森林認証のCOC認証を取得しました。以後11年間認証を維持し、国内でも数少ない認証木製品製造業者として認証製品を作り続けてきました。
違法伐採の世界各国の規制の動きはこの10年で様変わりしました。広葉樹などの森林資源の枯渇が進み、森林認証された森林面積は増加し世界的に普及していきました。G7で法規制が唯一なかった日本もサミットの成果として今国会で違法伐採法規制の法案が可決成立の予定です。
今後世界の森林資源、特に広葉樹は資源が枯渇していきますし、価格も高騰すると考えられます。いまは見向きもされない、里山にある広葉樹も今後は貴重な資源として扱われるのではと私は考えていますし、今後有効活用する事が世界の森林を守ることにつながると考えています。
今年度からNORAが中心となり里山での起業プロジェクトが動き始めています。森林認証もここまで認知されるまで10年かかりました。里山資源活用も10年後には利益が出る事業になると私は思います。
小さい木工屋ですが、少しでもお役立てればと思い、関わっていきます。
(堀内良一)