NPO法人新治里山「わ」を広げる会

2015.7.31

平成13年8月、横浜市緑区新治町の奥津家より、
家屋敷一帯と緑地が横浜市に寄贈されました。
横浜市は公園として活用していくため、平成15年度に「旧奥津邸活用検討会議」を
設置し、旧奥津邸の活用方法や運営方法等を探ることになりました。
そのメンバーは全市的に公募して選出された方々、地域既存団体代表者
(新治市民の森愛護会、谷戸田を守る会、梅田川水辺の楽校協議会等)、
新治小学校、自治会代表等で構成されていました。
その翌年、自分たちで提案したことを実際に汗をかいてやってみよう、
ということで発展的に「旧奥津邸活用実行委員会」とし、
それから5年間も、旧奥津邸エリアの役割、ゾーニング、活用方法など、
イベント等で活用実験を繰り返しながら、
公共施設への改修にむけての提案や運営方法の検討を行ってきました。
最初の2年間ほど、NORAが事務局を担っていました。

平成18年度に新治でも指定管理者制度を導入することが決まったため、
開園後の管理運営を見据え、翌年に「旧奥津邸活用実行委員会」を母体に
新治里山「わ」を広げる会を発足しました。
平成20年度には、開園前の1年間を北部公園緑地事務所より業務委託の形で
「新治里山公園第1期開園エリア予定地」の管理運営を行いつつ、
法人化に向けての準備とともに指定管理者に名乗りを上げました。
そして、平成21年4月より新治里山公園・にいはる里山交流センター
(旧奥津邸)の指定管理者として、管理運営につとめています。

メンバーが集まってから10年。今年は指定管理者の更新でした。
多くの方の支援と協力を得て、また5年間続けていけることになりました。
「人と人との和」「地域の輪」「自然の環」を大事にしながら、
新治の里山を活かした活動をすすめていきます。
どうぞ、新治里山公園に遊びにいらしてくださいね。

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横浜市緑区にある新治里山公園の指定管理をつとめる団体です。
2007年8月に当公園の「指定管理者になること」を目指して発足しました。
現在、「旧奥津邸」の施設群と新たに建設された管理事務所・つどいの家
(全天候型体験棟)など、1.5haほどの管理運営をしています。
この場所は、15haに及ぶ新治里山公園全体計画の中のわずか1割の面積です。
隣接する新治市民の森の入口部分にもあたり、「にいはる里山交流センター」
という名称で森のビジターセンターの役割を担っています。
新治市民の森の保全活動を行う新治市民の森愛護会、
鶴見川の支流である梅田川で保全活動を行う水辺愛護会、
地元農家で構成される新治恵みの里準備会と協力し合いながら、活動しています。

当会には大きなプロジェクトが2つあります。
そのひとつは「新治里山公園運営プロジェクト」です。
公園の魅力を里山の機能とあわせて高め、発信していくボランティア活動です。
なんと年間150回以上のイベントが行われています。
数々の部会(自然観察/IP、竹クラフト、布クラフト、ハーブ、おはなし会、
お琴の調べ)で企画運営されるほか、伝承行事や農文化に関するプログラムを
個々のボランティアの発案により実施しています。
もうひとつの大きなプロジェクトは「新治谷戸田を守る会」です。
谷戸の奥の田んぼを耕作する別の団体でしたが、2009年の農地法改正により、
法人格を持つ団体が農地を賃借できるようになったため、
当会が地主・横浜市と三者協定を結び、営農することとなりました。
それに伴ってプロジェクトチームとなりました。

私たちは「里山を舞台に、人・地域・自然の縁を育むビジターセンター」という
コンセプトを掲げ、公園を中心に3つのわ(人と人の和、地域の輪、自然の環)を
育む活動をこれからも推進していきたいと思っています。

しかし、現在の活動になるまで、じつは多くのことを乗り越えてきました。
それは機会をあらためて。

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2015年2月に、このコーナーで「現在」をお話しさせていただきました。
その冒頭で「2007年8月に新治里山公園の”指定管理者になること”を目指して
発足しました」と書きました。
でも、それまでの道のりと、”指定管理者になること”へのプロセスには
多くの困難があったのです。

2001年8月、緑区新治町の奥津家より、家屋敷一帯と緑地が横浜市に寄贈されました。
横浜市は公園として活用していくため、2003年度に「旧奥津邸活用検討会議」を設置、
旧奥津邸の活用方法や運営方法等を探ることになりました。
そのメンバーは、公募で選出された方々、地域既存団体代表者、近隣の小学校、
自治会代表等で構成されていました。
翌年には、自分たちで提案したことを実際にやってみよう、
ということで「旧奥津邸活用実行委員会」となり、
それから5年もの間、イベント等で活用実験を行いながら
公共施設への改修にむけての提案や運営方法の検討を行いました。
毎月1度は5時間を超える会議、それでも足りずに別の日に
区役所の会議室で夜な夜な行ったこともありました。

当時は、市内の舞岡公園や都筑中央公園などのように、地元有志の任意団体によって、
横浜市との協働で管理する、という展望を持っていました。
しかし、2006年度に新治にも指定管理者制度が導入されることとなったため、
2009年度の開園に向けてNPO法人化を目指し、
ボランティア活動から一気に「会社」として整え始めました。
初めての「指定管理者」への挑戦には、なんと市の外郭団体である
横浜市緑の協会がライバルとなり、私たちは相当に腹立たしく思いましたが、
その怒りを冷静な熱意にかえて挑み、大変きわどい僅差で勝ち抜くことができたのです。

今、私たちは法人設立7年目を迎えています。
仲間も増え、活動も広がり深くなりました。
ここで、2つの活動について、この場を借りてPRさせてください。

(1) 新治の谷戸田を学び耕し育む~谷戸田を守るボランティア説明会
http://www.niiharu.jp/event/272
(2) 里山 竹籠(たけかご)編み連続講座<全10回>
http://www.niiharu.jp/event/273

NORAは、2002~04年度に「わ」を広げる会の前身の運営に深くかかわっていました。
そして、今もじんわりと関わり続けています。  (吉武美保子)
(この記事は2015年のものです)

◎新治里山公園にいはる里山交流センター
http://www.niiharu.jp/