2020年6月

2020.6.1
月いち言伝
今年はさらにパワーアップした白い蛾。
昨年もご紹介したキアシドクガです。
森の縁にあるミズキ1本にまとっていたものが、
森の中にあるミズキにも拡がったようで、
森全体に、雪が降っているよう。

ミズキは木の成長が早く、光があたる場所でほかの木より
先手を打つかのように伸びて大きくなります。
じつは、一度切り拓かれた土地に手が入らないと、
最初に育つ木のひとつなのです。
郊外部の緑地では、生活のための利用で木を伐る、と
いうことをほとんどしていないので、
ミズキは増えたまま、大きくなっています。

キアシドクガは年1回の発生で、1本のミズキを丸裸にしますが、
ミズキはがんばって、ふたたび芽を吹きます。
それでも、数年つづくと枯れてしまう。
増えて大きくなったミズキと、キアシドクガの関係。
自然のもたらすバランス、って何だろう。