第122回 メランコリー

2018.10.31
いしだのおじさんの田園都市生活

これ?ナニ?カウンセリング、って?
・いや、カウンセリングはカウンセリング。受けてきたんだ。
えーっ、病んでいるの?
・すぐ、そういう言い方する。(だから、めげるんだよ)
でも、、、(心配というより、困る、かも)
・でもね、行ってみて良かったよ。
へぇ。
・この季節にはメランコリーがやってくるんだ。
なに?
・「なぜだらう 稲が米になる さびしさは」って、昔詠んだ。
ナニ?それ?
・田んぼにあるときはイネ、収穫すればコメ。
それが、サビシイ?
・収穫の秋にはヨロコビがある。当然。
うん。
・でもね、育ってきた稲が田んぼから無くなることでもある。
寒い冬が近づいてくる。
・そうだよ。命が盛んな季節の終わり。色のない季節。
日も短くなってくるしね。
・ほーら。なんとなく、ユーウツだろ。
でも、美味しいものがいろいろ出てくる。
・ま、確かにね。食欲で乗り切るか?
季節を楽しむのが田園都市生活でしょ。
・ははは、そだね。
なのに、カウンセリング?
・俺もね、行くことを少しネガティブに考えていた。
そりゃ、そうでしょ。
・いや、いいカウンセラーを持つことはステイタスなんだぞ。
どこの話?
・アメリカのビジネスマンとか、かな?
チガウでしょ、石ちゃんは、、、
・でもね、まぁ、今回良かったよ。
へぇぇ?
・人間、本当に苦しくなると、相談もできない。
それは、あるかも。
・そういうことも、あったよ。俺の人生。
いつ?
・ま、その話はイズレマタ。
今回は?
・まぁ、何となくのメランコリー、かなぁ、、、
「かなぁ」はナニ?
・ま、うまくいっていないことは様々ある。人生、、、
うん。ううん?
・それに、興味があった。
え?
・俺、一応、「相談支援従事者」の資格がある。
社会福祉士、だし。
・立場を逆にしてみるのもオモシロい、かもって、、、
そういう興味?
・ま、これも、研修だよ。
はいはい。
・あのころは、特に、お天気の悪い日が多かった。
お天気商売なんだね。結局。
・「人間にも光合成が必要」って、言うだろ。
えっ?誰がそんなこと言っている?
・俺。
いつ?どこで?
・コウエンとかで?
どこのコウエン?
・いや、パークじゃないよ。人前でしゃべる講演。
そんな、いい加減なことを人前でしゃべるわけ?
・いや、話の前後がある、ちゃんと。それにうなづく人も多いよ。

・精神的に不安定な利用者さんも、畑で、お天道様の下で身体を動かせば、、、
ああ、確かに安定するかもね?
・かもね、じゃなくて、実例がたくさんある。
そうだったね。
・吊り上がっていた目がタレ目になったり、睡眠障害が治ったり、、、、
それが、光合成?
・セロトニンの作用とか専門的にもアレコレ説明できる。
石ちゃんが説明できる?
・いや、それは、本当の専門家に任せる。俺は、、、

・ま、現場の実践家、ってことで、、、
よくわかりません。
・ときに、「アースされる」とか言ったりもする。ブンガクテキ。
チューショー的、っていうか、いいかげん。
・実は、そのイイカゲンさが大事。

・マジメすぎると、心が折れる、こともある。
カウンセリングが必要になる。
・福祉職場でのバーンアウトはよくあること。感情労働だから。
うん。
・周りの同僚とかにも勧めたいんだけどね。
バーンでアウトしそうな人、たくさんいそうだよね。
・その手前でカウンセリングを受けるといいと思う、ん、だけどね。
苦しいときには思いつかない、かも?
・そう、それにネーミングが良くない。
えっ?
・「こころの相談室」っていうんだ。
なんか、行ったら具合が悪くなりそう、、、
・ははは、でもね、法人が費用負担してくれるんだよ。
いくら?
・本来の費用は1万円ほど。
それは!オトク!
・ゲンキン、だよな、発想が、、、
この発想が折れない秘訣!
・はいはい。フトコロの相談室でいいわけだ。
ザブトン1枚!
・そして、今回、俺に新しい秋の乗り切り方が加わった。
ナニナニ?
・冬の楽しみ、薪ストーブ!
そうだった。
・この間、試運転したら、もう、火に魅入られたよ。
うん。
・火を見て、暖まって、そして、、、
そして?
・料理も楽しみたい。
そして、火を見ながら、呑む、でしょう。
・ははは、それは、もう、火を見るよりも明らか!
いいね!
・薪ストーブ料理を研究しなきゃ。
石ちゃんが?
・住み込みの研究者に来てほしい。
そうだね。探さなきゃ。
・うん。この秋の課題だね。
で、カウンセリング、って、もうオシマイ?
・いや、1年に5回まで無料だから、、、
へぇ、次は?
・いろいろ他に忙しくて、、、予定が立てられない。
なぁんだ。

(石田周一)