和歌山県高野町富貴暮らし

今日のできごと 12

2011.8.29
和歌山県高野町富貴暮らし

横浜の知人が富貴を訪れてくれることになり、土地の物を食べてもらいたいなと、地域の方に協力して頂き一緒にいくつかの料理を用意しました。
こちらでは、”柿の葉寿司”をお祭りや親せきが集まるなど、多くの人をもてなす際によくつくります。酢飯を俵状ににぎり、酢でしめた鯖の切り身を乗せて柿の葉でくるみ、箱に入れ上から重石をします。
今回私は、柿の葉の準備を担当しました。別の方が家の近くの柿の葉を取って来てくださり、それを濡れふきんで拭いて汚れをとります。拭きながら、高い柿の木の葉を取るのは大変だっただろうな、梯子を準備して登り、いつものことだからと平気だったのかな、ちょっと怖かったのかな、朝取ったのかないつ取ったのかな、忙しくなかったのかな、とか、知人は柿の葉寿司に驚くだろうな、とか、ご飯を用意して下さっている方が好みの柿の葉の大きさはどんなのだろう、とか、いろんなことを思いながら、作業をしていました。ふと、こうやって作る時間にいろいろ思っていることが、料理へ魂を入れるのかもしれないと思いました。
土地でできたお米、柿の葉、それを育てる人、取る人からバトンタッチされて私が柿の葉を拭いている。そしてまたバトンタッチしてお寿司が出来上がり、知人が口にしてくれる。その流れの一つの作業を私がやっていることが、とても誇らしく思えたのでした。